ぐったりとうつ伏せる私の身体を反転させて、着流しとインナーを脱いだ銀時が覆い被さった。荒く呼吸をしながら見上げたその表情は、随分と緩んでいて、どこか嬉しそうでもある。


「…は、…っ」

「んな気持ちよかったの？随分派手にイッてたけど」

「…意地悪」

「俺も気持ちよくなっていー？」


返事を待たずに唇を合わせてきた銀時は、私の脚を広げたと同時に、中に思い切り自身の塊を突き入れた。合わせた口内で、私はくぐもった声を上げながらそれを受け入れた。唇から離れた銀時は、眉を上げて困ったような顔をした。


「…は、やべェ、なにこれ…っ」

「…なにが、…」

「動いてねェのに、すっげー気持ちいー…」


そう呟いた銀時は、小さく私に笑いかけてゆっくりと腰を引いたり、またゆっくりと押し入れたりと慣らすような動きを繰り返した。その度にふるふると私の身体が震えた。


「あー、マジで…全然動けねェ。…何なのお前、お前の身体どーなってんの…っ」

「知らな…んっ、」

「あーもう、無理。…ぜってー早ェけど、文句言うなよ」

「…あッ！」


苦し紛れにそう囁いたとほぼ同時に、銀時は私の腰を掴み激しく奥へと打ち付けた。突然の行動に対応できずに、ただ嬌声をあげることしかできない。うっすら目に入った銀時の表情は、それはそれは苦しそうに眉を顰めて、額に汗を滲ませていた。その表情がまた私の心を強く握りしめる。


「…っ、オイ、…これ以上、締めんなよッ…」

「い、あっ！あ、あぁッ…ぁあッ！」

「…なまえ、…目ェ開けて」


朦朧とした意識の中で、銀時の言葉に従いゆっくりとまた瞳を開けた。眉を顰めながら私を優しく見つめる銀時が、愛おしくて。思わず手を伸ばしてその頬を引き寄せて、キスをした。


「…銀時、あっ、ん！…好き、…は、あッ、好きっ…」

「…は、っ…バカ、反則だろ、それ…ッ」


もう、おかしくなりそうだ。銀時から与えられる快感、感じる体温、耳元で聞こえた「…俺も、好き」という低くて甘い声に、酔ってしまいそうだ。先ほどよりいくらか激しく出し入れされるそれに、もう何も考えられない。銀時の首に手を伸ばして抱きしめると、耳のすぐそばで銀時の吐息を感じた。…本当に、好きだ、この男が。好きで好きで堪らない。


「…わりー、も、無理、…ッ」

「ふ、あ、あぁッ、…ああぁッ！！」


最後に激しくガツガツと奥をついて、勢いよく引き抜いて私の下腹部に欲を吐き出した。しばらく息を整えるように、その場から動かない銀時を私も見上げることしかできずに荒く息を吸ったり吐いたりを繰り返した。落ち着いたのか、枕元のティッシュに手を伸ばし、それをふき取るとすぐに私の横に倒れ込んだ。


「…っ、はぁ、…お前の身体、何なの、何かもう、マジヤバかったんだけど…」

「…語彙力なくて意味わかんない。ギャルか、お前は」

「いやもう、なんつーか、ヤバいんだよ、とにかく」


お前の頭の方がヤバいんだけど、と言いかけた言葉は、頬に伸びてきた銀時の手によって阻まれた。優しく頬を撫でる銀時の顔がだらしなく緩んでいて、それが私の心をとてつもなく暖かくさせる。誰かに抱かれて、またこんな気持ちになれるなんて、こんなに幸せな気持ちになれるなんて、思っていなかった。熱くなる顔を隠すように、ずりずりと身体を動かして、銀時の胸に顔を埋めた。




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