Ichika -carré- | ナノ


▼ 4/ side坂田銀時 ☆



「……ん、ぅ……っ!」


カタカタと膝を震わせながらこちらに大きく開脚をするなまえは、眉を顰め潤んだ瞳で恨めしそうにこちらを睨みつけていた。

あれからなまえは真っ赤な顔で少しだけ悩みながら『元に戻すって、約束だからな…!』と心底不満そうにそう言ってのけると、心もとない一枚のバスタオルを身体に巻き直しおずおずとその中からパンツを剥ぎ取って、机に腰を下ろしたままゆっくりと脚を広げた。文字通りのM字開脚をやってのけるなまえに俺はこの愛乱香の効果に内心感動していた。露わにされた秘部は恥ずかしげもなくぬらぬらと艶めいている。思わずふーんと唸ってしまうほど。

…あのなまえが、まさかこんな格好を自らやってのけるなんて、きっとこんなこと二度とはねェんだろうなー。その顔は茹でダコのように真っ赤に染まっていて、恥ずかしさに今にも泣き出しそうな顔で俺を見下ろし睨んでいる。俺は図らずも呼吸が荒くなっていることに気付いて、すぐに平常心を保とうと眉をあげてみせた。


「ほらァ言えよ、お願い銀さん〜って、さ」

「言わな、…は、…早く、治して、…銀時…っ!」

「言わなきゃ治せねーんだって、な?なまえ、早く言えって」

「……っ、…!」


眉のシワが先ほどより深く刻み込まれ、その上視線が泳いだ。潤んでいたはずの瞳がどんどんと歪み始めてきゅっと瞑られた目尻からぽろっと一雫こぼれ落ちた。あーあ、また泣かせちまった、なんて少しも反省なんてしていないくせに自嘲するような笑みがこぼれた。そしてなまえが震える口元からようやく小さな懇願が聞こえた。


「……銀時…」

「ちげーって、銀さん〜って」

「………っ、ぎ、銀、さん、」

「んー」

「…ッお願い、…わ、私を楽にして、ください…っ」


未だ身体が火照って仕方がなさそうに、カタカタと肩を震わせながら涙を流し、小さくそう呟いたなまえの懇願に俺は開かれた両脚を勢いよく掴みこちらに引き寄せた。なまえはそんなこと少しも予想していなかったんだろう。音を立てて思い切り机に寝そべる形になった。そうして俺はその秘部にかぶりつくように唇を合わせた。


「ひ、ぃ、あっ……やぁああっ……!!!」


…あーもう、んっとにたまんねェ。愛しくて仕方がねェ。そんな言葉が脳内を埋め尽くした。媚薬のせいだとはいえ従順に開脚してのけるとこも、ただそこに唇が触れただけで身体を痙攣させて果てちまうとこも、まんまと騙されて「うそつき、バカ、死ね」と息も絶え絶えに嬌声に紛れながら聞こえてくる恨み言も、何度啜っても啜っても溢れてくるそこも。全てが可愛くってたまんねェ。

蜜が絶え間無く溢れるそこに蓋をするように舌をねじ込んだ。俺の舌がうねるたびなまえはガクガクと身体を痙攣させてその度に絶叫に似た声を上げる。


「あぁっ…!う、ぁ、あぁあ…、も、ぃやあ…ッ!銀時、またイッちゃう、ダメ、ダメ……っ」


快感から逃げるように振り払った腕が黒電話に当たり、音を立て勢いよく床に電話が叩きつけられた。そんなこと気にも止めずに舌を抜いて腫れ上がる蕾をひと撫ですればなまえはまたも高く声を上げて果てた。とうにタオルがはだけた胸元に両腕を伸ばし、小さく揺れる膨らみを優しく包み込む。AVみてーだな、なんて心の中で独りごちれば、膨らみを揉みしだく俺の手になまえの両手が伸びてきてがっちりと掴んだ。


「やだぁあっ…!銀時、もうやだ、やめて、離してぇっ……」

「離さねェって、こんなにぐっしょぐしょにしときながら何言ってんのお前」

「あ、…お願い、もう…ダメなの、…ふぁあッ!…お願い。ぎん、とき…っ、早く挿れて、……」

「はいはい、もうちょっと待っ……、え!?」


…え?今何つった?思わず秘部から口を離してなまえの顔を覗き込んだ。ぜえぜえと肩を揺らし小刻みに震えるなまえはボロボロと涙を流しながら、真っ赤に染まる顔を両手で覆った。まるで何言ってんだ私、みたいな感じで。


「え、っと…なまえちゃん?今なんて?」

「……ッ、もう、我慢できないの、…」

「え!?」

「挿れて欲しいの、…自分でもよくわかんないんだけど、……とにかく銀時が、……ほしいの」


ひくっとしゃくりを上げ泣きながらとんでもねェおねだりをするなまえに、俺の方が拍子抜けしちまった。こんなこと今まで一度でもあっただろうか。…いや、ないな。前戯でイキ狂いながら最終的にはイヤイヤするなまえを抱くのが好きなんだけど。これはこれでアリだ。むしろ大アリだ。…が、痛いくらいに張り詰めたこれを今すぐにぶち込んでやりたい気持ちは山々なんだけど。今日はいつもとは違う。きっともう二度と見ることのできねぇなまえの痴態を、存分に味わいたいわけで。

震えるか細い手を引きタオルを巻き直して、椅子にもたれる俺の前に立たせれば、なまえは未だ肩で息をしながらだらしなく眉を下げて俺を虚ろに見つめた。着流しとインナーを素早く脱ぎ、ズボンを下げた俺になまえは首を傾げた。


「…ここでするの…」

「その前に、たまには銀さんのも可愛がってくんねェ」


なまえの手を引き俺の股座まで屈ませて、見下ろしながらそうニヤリと笑って見せれば、その言葉だけでなまえはふるっと身体を震わせた。



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