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此処は地下遊郭都市、吉原桃源郷。
そしてその治安を護るは言わずと知れた自警団『百華』。
女のみで構成された、文字どおり百の華が織りなす忍術に敵う者などこの吉原にいやしない。
頭領は言わずと知れた「死神太夫」月詠。
だが、貴女は御存知であろうか。
死神太夫には二つの色があることを。
貴女は御存知であろうか。
頭に並んで恐れられる副頭領の存在を。
黒の死神太夫こと、百華 頭領 月詠。
そしてもう一色。
赤の死神太夫こと、百華 副頭領 なまえ。
百の華の中でも一際異彩を放つその華は、可憐で逞しくそれでもどこか繊細で見るもの全て魅了する、不思議な一輪の華。
自身の犠牲を省みず、自身の大切なものをひたすら護ってきたその華がようやく自身を咲かせることを知った。どん底から這い上がり本当の幸せを手に入れたその華は、今も尚今までにないほど気高く色鮮やかに咲き誇り続けている。
…自身の大切な者達のすぐ傍で。
-fin-
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