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「行くぞ、なまえ♂」
「おう」
月雄♂の合図でデコボッコ教の連中にクナイを打ち込む俺らに、神楽惇♂は赤・兎馬春を乗りこなし連中を一蹴し、十兵衛♂とやらは中々の剣さばきで辺りを切り捨てれば、あっという間にデコボッコ教のアジトを殲滅することに成功した。
「…何なのお前ら。スペック高すぎだろ」
「オイ月雄♂聞いたか?俺の恋人はとんでもねェ腰抜けみてーだ」
「まぁそう言うなよ。今のこいつらはただのオス豚でしかねェんだからよ」
「………」
唖然とする銀子♀にまん選組♀。そういや新八の隣にいる女は誰だ。見たことねェツラだが、中々のベッピンだ。
「お前、名前は」
「妙です」
「妙か。お前はどこのヤローなんだ?」
「私は元々女ですよ。こうなった後にかぶき町にきたものだから」
「にしちゃ随分ひでェな、それ。元の俺の方がまだあったぞ」
胸の辺りをくいっと膨らませて「前世で何かしたのか」なんて言葉を付け足せば、妙は笑顔で拳を飛ばしてきた。何だこの女のスゲー怪力。女でいるのがもったいねェくらいだ。吹っ飛ばされた俺の元に銀子♀が駆け寄ってきた。
「バッカ!お前!相手見て喧嘩売れよ!ゴリラだぞ、アイツゴリラだぞ!?」
「あら、次は銀子♀さんが殴られたいのかしら」
「妙、安心しろ。女は胸じゃねェぞ。元貧乳の俺が言うんだから違いねェ」
「よせよ、なまえ♂。女相手に言うセリフじゃねェぞ」
「月雄♂さん」
「吉原にゃ貧乳専門の風呂があるんだ。どうだ、妙。俺らと働かねェか」
「あんた何さらっと人の姉上ソープに落とそうとしてるんですか!!!」
そうこう騒いでいるうちに、元に戻れるぞ!と声を上げる十兵衛♂に続き地上へと向かった。横に並ぶ銀子♀の胸に目が行き、思わず睨みつける。
「銀子♀、お前その乳ほんと腹立つ」
「お前のその股にぶら下がってんのもな!胸小さかったくせに何で男になったらそこがバカデカくなんだよ?!」
「男っつーのも大変だね。こんなのぶら下げて」
「それは女もな…っつーかお前その見た目とその声で普段通りの口調で喋んなよ!気持ちわりぃよ!」
「えー?何でー?銀子♀〜」
「ギャー!キメェよ!何だよそのツラでオネェって!キモすぎんだろ!」
「地上に戻ったらもう見れねーんだからよくこの顔瞼に焼き付けとけよ」
「無理。なんか自信なくなんだろーが」
あー、やっと女に戻れる。やっぱり私は股ぐらにち●こなんかいらないし、銀時にも無駄にでかい乳は不要だ。このち●こも乳も互いのあるべきところに戻るべきだ。…まぁ私の乳はこんなにでかくないけど。
一時はどうなるかと思いきや、このデコボッコ教の思想は案外あっけなく幕を閉じた。
……はずだったのに。
「………あれ?も、戻ってない。…まさか、地下にいたから……?」
絶望的な十兵衛♂の言葉に、私たち改め俺たちの顔から表情が消えた。
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