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会話少し多めです。

次の日何もなかったかのように教室に行くと何もなかったかのように孝支が話しかけてくれた。

「おはようなまえ」

「あ、孝支朝練お疲れ〜」

「はいこれ」


ポンっと机の上に置かれた男の孝支には似合わないピンクの可愛い袋。


「え?」


「今日、なまえの誕生日だろ?だからはい」


「あ………そうだ私誕生日だ」


大地のことで頭の中がいっぱいだったため、自分の誕生日がすぐそこまで来ていることをすっかり忘れてしまっていた。


「開けていい?」


「どーぞ」


孝支から渡された袋に入っていたのは、猫の絵が描かれたお箸だった。
可愛い…。孝支がお店で一人で選んでたって考えると面白い。


「ちょ、なに笑ってんの」


「いや、孝支がこんな可愛いのを一人で選んでたって思うと面白くってさ」


「箸には"橋渡し"って意味もあるから、俺がなまえの橋渡しできたらなって意味も含めてのプレゼントだから」


なんと!お箸にはそんな意味があったのか…。意外だった。
ちゃんと考えて選んでくれたんだ。
孝支には迷惑かけっぱなしだから、いつか絶対にお返しをしなければ。


「ありがとう」


「どうしたしまして」


▽▲▽


放課後になったが、休み時間や昼休み毎に友人が教室にお祝いしに来てくれたりしたため、鞄の中はお菓子やプレゼントでいっぱいで登校時より重くなっていた。
期待していたわけじゃなかったが、大地にはお祝いすらしてもらえなかった。
というか、私が一方的に大地に近づかないようにしていたことが9割方原因である。


鞄の中へ崩れないようにプレゼントやお菓子を詰め込み、帰路につこうと席を立ったところで、教室のドアを開く音がした。
音がした方を見ると、そこには大地が立っていた。


「大地、部活は?」


「いま休憩中でさ。……これ」


大地の手には小さい白い袋。


「ん?」


「誕生日プレゼント。なまえ、誕生日だろ??」


「いや、そうだけど…、私なんかにプレゼント買うお金あるなら、好きな女の子にいいもの買ってプレゼントしなよ〜」


「……俺の好きな人はお前なの」


……………





オレ ノ スキナ ヒト ハ オマエ…?

俺の好きな人はお前??


「はーー?!?!だって、大地全くそんな素振り見せてくれなかったし、他に好きな人がいるって思ってたんだけど!え?まって?大地が私を好き?え?まって?夢?夢じゃないよね!まって…」


「突然ごめん。この関係を崩したくなかったから、黙っておこうって思ったんだけど、どんどん可愛くなるなまえに焦ってさ。びっくりしたよな」


「びっくりはした……けど、私も、大地が…好きだから、嬉しくてもう頭回らないし、泣きそうだしもう…」


「本当か?!すっげぇ嬉しい…」


夢なのだろうか。
大地が私を好き?押さえ込んだ想いを閉じ込めなくていいの?


「改めて。俺と付き合ってください」


「もちろん」


君のくれたプレゼント
君からのプレゼントはネックレス
意味は"独り占めしたい"