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「さて、じゃあまずチョコを刻みましょう」

「「はい!!」」

彼女たちは烏野男子バレー部のマネージャーである。
なぜ、彼女たちが集合して、チョコを刻み始めたのかというと、明日に控えたバレンタインに向けてバレー部員にあげるパウンドケーキを作るためだ。

量産でき且つ簡単なものという案が採用され、パウンドケーキを焼くことになった。

ちなみに、ここは清水潔子の自宅である。
田中や西谷に自慢をするとものすごく羨ましがられるだろうなぁと2年のみょうじなまえが考えたのは内緒だ。

「潔子さん〜!これ余熱ってどこですか?」

「えーっと、変わるわ。なまえちゃんはこっち混ぜてもらえる?」

「すみません……」

「お家のと違うんでしょ?仕方ないわよ」

「チョコ刻めました〜!」

少しずつ協力しながらパウンドケーキを作り上げていくマネージャー3人。
バレー部員は彼女たちが練習終わりにパウンドケーキを作っていることは知らない。

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「みなーさん!ちょっといいですか?」

練習が始まる前に全員が集まったところで、マネージャー3人が紙袋を持ってバレー部員の目の前に立つ。

「どーしたー?」

主将である澤村大地がいつもと違うマネージャーたちに声をかける。

「昨日の練習終わりに3人でパウンドケーキを作ったの」

「「ハッピーバレンタインです!」」

がさり、と紙袋の中から1つずつ取り出して背番号順に渡していく。
皆口々に「すげー!」や「うまそー!」などと言っている。

もらえると思っていなかったらしい、田中と西谷は感動してパウンドケーキを抱きしめたまま硬直してしまった。

「よし、じゃあ、マネージャーに挨拶!」

「「「あざーっす!」」」


「「「どういたしまして!!」」」

はっぴーばれんたいん!