期末テスト対策で私の家に集まって勉強したのが2週間ほど前。
仁王丸井コンビが部屋の中を漁り始めた時は「本当にやめてくれ!」と叫んだ。
まだ仁王なら私が本当は中学生ではないと知っているから見られてまずいものはほとんど無いけれど、丸井も一緒となるとさすがに怖かった。
特にお酒とか見られたらヤバイ。
赤也にはそんな暇を与えずにひたすら問題を解かせたし、単語を何回も書かせた。

そして、期末テストの結果が返ってきて、ギリギリ英語の赤点を逃れた!と赤也が喜んでいたのが1週間ほど前。
真田が赤也を褒めて、赤也が照れ臭そうにしているのを見た時はすごく微笑ましくなったし、倒したい倒したいと言っているが先輩のことはやっぱ好きなんだなぁとほっこりした。
やっぱ、弟ほしいなぁ。

勉強を見ていて、赤也はどうやってココに入学したんだろうと思ってしまったが、中学受験には英語が含まれていないことを思い出したのですぐに解決した。
立海では赤点だろうと公立の学校と比べたら全然良い成績だったりするから、赤也は公立に行ったら頭悪いとは言われないのだろう。

そして、とうとう関東大会が開幕した。
学校も夏休みに入り、少しずつ課題を消化している。
私はコツコツと宿題を終わらせて、8月末に友人の課題を手伝う人間だった。
嫌いなものは先に終わらせておきたい派なのだ。
立海では高校への内部進学が多いため、公立の同学年の子達よりは宿題が多い。受験勉強がないからね。

そして朝の涼しいうちに今日の分の課題を終わらせてテニス部の練習をしているコートへと足を運んだ。

「みょうじ先輩〜〜!」

「はいはい、お望みのレモンの蜂蜜漬けですよ〜」

休憩時間に入った途端、私をすぐ見つけて赤也が飛んでくる。
今日の練習を見に来たのも昨日の夜に赤也から「去年の合宿で食べたレモンのやつ食べたいです」とメッセージが飛んできたので、差し入れとして持ってきたのだ。

そして、さっきジャッカルから少しだけ聞いた話だが、昨日はリョーマとの野試合の日だったらしく、赤目モードが発動したと聞いた。

とうとうそんなところまで来てしまったのか…。
目の前で、私の作ったレモンの蜂蜜漬けを美味しそうに食べている赤也からはそんなことになるとは思わないし、ジャッカルにも「信じられねぇと思うけど」って前置きされた。

全国大会が始まると悪魔化してしまうのか。
こんなにかわいい後輩なのに。

あと、決勝は原作通りちゃんと青学だと聞いた。

見てみたい気持ちもあるけれど、負ける彼らを見るのはかなりツライ。
だから、当日は幸村の側にいさせてもらうことにしよう。