「あ〜〜、頭痛い」

さすがに昨日は飲み過ぎた。
二日酔い用の薬を飲む。んん、ツライ。
久しぶりの二日酔いだ。

今日は休もうかな、なんて思ったりもする。
でも、ここで休んだら昨日の奴らに負けた気がする。気がするだけ。

パシンと軽くほっぺたを叩いて気合をいれる。
少しだけでも学校に行こう。

新しい上履きも買ったし、植木鉢化するまでどれくらいかかるか計測しても面白そうだよねここまでくると。

窓から外をみると雪がちらちらと舞っている。

うわー、外に出たくない。
こんな日にスカートで生足だなんて若い子は本当にすごい。

「…よしっ」

再びパシンと軽くほっぺたを叩いて気合を入れて外にでる。
さ!む!い!

▽▲▽

よし、靴箱はセーフ。

上靴の新品が手元にあるからセーフである確率の方が高いんだけど。

今日は少しだけ早めに学校に着いた。
久々にちゃんと授業を受けようと思って。
この前ちゃんとSHRの時間から教室にいると担任に感動されたりしたので、今日はどんな反応をされるか楽しみだ。

「みょうじさん?」

「あれ、幸村くん?朝練は?」

「少し早めに終わったんだ。みょうじさんも珍しいね」

「今日はちゃんと受けようと思って」

「なるほど。じゃ、教室一緒に行こっか」

前を歩く幸村の背中は大きくて、あともう少しで倒れてしまうのかと思うと切なくなった。

彼らはたった14歳で三連覇というものを抱えて生きてるのか。
私が14歳の頃なんてそんなこと考えたりもしなかったなぁ。

私は彼が再びテニスをして、青学と戦えることを知っているし、結末だって知っている。

「幸村くん」

「なんだい?」

「幸村くんなら、大丈夫だよ。きっと」

「??」

イップスと呼ばれる彼の技は病気が関係しているんじゃないか説を私は推したいんだけど如何だろうか。