年末年始は実家でのんびり過ごすことができて、白石一家が埼玉に来た。
大阪のノリは本当にうるさくて、年越しの瞬間ジャンプをして「俺今年越しの瞬間地球におらんかった!」と言っていた。
そんなこんなで、久々に学校に登校してきたんだけど、また上履きが植木鉢化していた。
ウケる。
いや、ウケない。
新学期早々何してくれてんだ。
暇人かあいつらは。
いや、あれだ、あれ。
去年からずっとこの状態だったのか。上履き持って帰るの忘れたのは私の責任だ。
私が学校に来ないからこういう地味なことしかできないんだろうけど、地味だなほんと。
替えの上履きは生憎持っていない。
学校のスリッパを借りようにも職員室に行かなきゃならなくてめんどくさい。
もうなんか、耐えるのもめんどくさいなぁ…。
▽▲▽
そして時間軸は放課後である。
先日私にご丁寧に水をかけてくれた人たちのクラスに乗り込むことにした。
同じクラスらしく、固まってくれていたから楽だった。先輩はあと2ヶ月ほどでいなくなるからほっておいても大丈夫だろう。
あと、テニス部もみんな部活に行ってるから大丈夫だと踏んだ。
「なに?」
「それはこっちのセリフ。これ見覚えあるでしょ」
ドンと植木鉢化した上履きを彼女の机の上に置く。
「アハハ、なんのことー?」
「別に証拠があるってわけじゃないんだけど、この前見事に水をぶっかけていただいたので」
「そんなこともあったかな?」
「何を考えてんのか私にはさすがにわかんないんだけど、私は幸村に対して恋愛感情もクソもないから。あんな年下お断りだし、付き合うならオサムちゃんだし、年下なら謙也しかありえないから」
「…?」
「私の言い分もわかんなくていいし、わかられたら困るんだけど、幸村にチクってないだけいいと思いな」
付き合うなら年上がいいし、オサムちゃんも結構タイプだったりするなぁ…、なんて今ツラツラと言葉を並べてみて考えてしまった。
「いじめられてますって言いながら職員室に駆け込んだら、いくら内部進学とはいえ危ないね。かわいそう」
「黙って聞いてれば勝手なことを言って!!」
手を振り上げながら席を立った彼女を見て、再びヤバイ!と思った時には遅くて。
パシンと乾いた音が教室に響いた。