翌日の休憩時間に出したレモンの蜂蜜漬けは大好評でペロリと食べられてしまった。

そういやこの合宿は1週間ほどと聞いていたが、実質5日間だった。
3日目の今日は折り返し地点。
マッサージ師さんも各校専属で付いているらしいが、それでもやっぱり少しずつ疲れが溜まってきてる人たちが出てきたらしく、私もその1人だった。

落ちているボールを拾おうと屈んだところ、腰がやばくなった。
歩けるからぎっくり腰ではないと信じたい。歩けるぎっくり腰なんてあるのか?ないよね??

あと、朝起きた時に喉の痛みもあった。私ってこんなに病弱キャラだったっけ。

また熱を出したくないけれど、仕事しないわけにはいかないから動き回っていたら休憩中だった幸村に捕まった。

「みょうじさんまた熱あるでしょ」

「ないよ…多分」

そっと右手を私のおでこに、左手を自分のおでこに当てて熱があるかを確認する幸村も美しい。

「この前と同じくらい熱いね。他のマネージャーには俺から伝えておくから部屋に戻りなよ」

「それは無理かな」

「明日や明後日に響いたら辛い思いするのはみょうじさんだよ?」

「………」

「いい子だから、部屋戻ろう?帰れる?」

「大丈夫…」

中2に言いくるめられて、子ども扱いされる20歳なんてどの世界を探しても絶対にいないだろう。
彼にとって私は同級生なんだけどね。

マネージャーの2人に伝えることを幸村に頼んで部屋に戻って、念のために持ってきていた薬を飲んで、部屋着に着替え直してからベッドに沈んだ。