女子向けのフローラルな香りの寝癖直しだと言った時の謙也の顔と言ったら。蔵が大笑いしていたくらい。
通りすがりの財前も吹き出していた。
さて午前練習も始まって数時間、私は今洗濯機を回している。
お昼休憩前に干しておきたい。
夜に乾燥機を使ってもいいんだけど、タオルくらいはお日様の方がいいよね。
服とか下着は夜に洗濯して乾燥機にかけろと跡部に言われた。
あと、時間も指定されてた。男子と鉢合わせしないように設定されてるらしい。
中学生だもんね、そこらへん気にしちゃうお年頃か。
ピーっと音がなり洗濯機が止まったようなので籠にタオルを取り出す。
しかしまあ多いこと多いこと。
ちょっと腰をやりそうで怖い。まだ20歳だというのに…彼らに比べたらおばさんだろうけどさ!
しゃがんでは干ししゃがんでは干しをしていると腰もそうだが太ももにも負担がかかり軽い筋肉痛になった。
早い。
腰をすこしトントンと叩いてみんなの元へと合流する。あとで湿布をもらっておこう。
「なまえちゃんお疲れ〜。マネージャーは早めにお昼ご飯食べてていいって景吾が」
「跡部さん神様…ありがたや…」
「男どもがいると落ち着いて飯取れないだろうとも言ってた」
「皆、育ち盛りだからね…」
「跡部さん本当に中3か疑うくらいにはレディファーストすごいよね」
「それな〜!立海の皆にも見習って欲しいよ…」
「幸村くんとかとても優しそうだけど?」
「うーん、そうなんだけど跡部さんとは違う優しさというか」
「優しさにも種類があるんだね…。」
「なまえちゃんは景吾みたいなレディファーストの優しさが欲しいってこと?」
「簡単に言えばね」
「うーん難しい」
「私も言っててわからなくなってきた」
3人で笑いあって食堂に向かう。
跡部の気遣いは本当に中学生離れをしているし、幸村の気遣いは中学生って感じだから違いはここなんだと思う。
今日はガールズトークでお昼を過ごせそうで嬉しい。