"男子テニス部が全国優勝を果たした"という話は夏休み明けの学校内を駆け回っていた。

3年生も引退したらしく、2年生が活動の中心となり幸村が部長に就任し、新生立海大付属男子テニス部が誕生したのも夏休み明けだった。

夏休みも明けて数日した日に私は久々に教室に上がる。

席替えをまたしたらしく、私の席の周りには友人が固まっていてとても嬉しかった。
幸村は少しだけ遠い場所。

「なまえ久しぶりー!」

「久しぶり」

「少し焼けた?」

「従兄弟の部活の試合の応援行ってたからかな…野外の競技だし。」

「野球とか?」

「ううん、テニス。残念ながら立海に負けたけどね」

「そっかー、ウチのテニス部強いもんね。2連覇だっけ?」

「って聞いてる」

夏休みにあったことを少しずつ、話していると授業開始のチャイムが鳴ったので各々席に着く。

夏休み明けっていうのはみんなが少しだけ大人になったように見えるのはいつの時代も変わらない。

ぼーっとしながら数学の授業を聞く。
懐かしいなぁなんて思うし、つまらないとも思う。

そういやもうすぐ体育祭だ。
去年は見事に救護スペースのテントの下で、冷たいお茶を飲みながら見学したものだ。

今年もそうさせてもらおう、こういうときの病弱キャラありがたい。