「みょうじ今帰り?」
「うん。今から外周?」
「そうそう」
「あれ、みょうじじゃん」
「なんか久しぶりだね菅原と澤村は」
「だな」
澤村を先頭にして走ってきていたはずなのに、私に一番に気がついたのが東峰なのは嬉しかったりする。
1、2年生は不思議な顔をしている。
そういや、2年生の2人には会ったことがあるけれど、1年生は会ったことがない。
でも、部活中の東峰をここで止めていてもダメだから、話をしたいっていう気持ちを抑える。
「皆外周がんばってね。東峰また明日ね」
「うん」
ひらひらと手を振って皆んなを見送る。
ぺこりと頭を下げていく1、2年生が面白い。
「旭さんずりーっす!!」という西谷の声が聞こえたけれど、なかなか会話できないんだからこれくらい許してください。
1度くらいは一緒に帰りたいなぁ。
とりあえずシュークリームが食べたい。コンビニに寄って帰ろう。
新作が出たってテレビでやってたからそれを買って食べよう。
来週からの埼玉のおばあちゃん家楽しみだなぁ!
近所に知り合いの子とかは全くいないけど、ゆっくりできるし適当な格好で出かけることも気にしなくていいから楽だ。
よし、東峰のことは少しだけ忘れてシュークリーム食べて、のんびりしようと思って、歩みを少しだけ早めた。
▽▲▽課題も終わって、お風呂も入って後は寝るだけになりベットでゴロゴロしながら心と澪とのグループLINEでくだらない話をしていると、上に珍しい名前の人からのLINEを知らせる通知が出てきた。
「東峰じゃん」
東峰から送ってくるなんて珍しいなぁと思いながらもドキドキしながらトークを開く。
"明日一緒に帰りたいから、部活終わるまで待っててもらえる?"
というメッセージが表示された。
突然どうした明日は槍が降るぞ!と思い、既読を付けたものの驚きすぎて心と澪のグループで報告をすると、2人ともが"明日は槍が降る"と送ってきた。
考えることは誰もいっしょだったみたい。
"わかった、まってる"
深呼吸してからそうメッセージを送ってすぐに心たちとのグループに戻る。
一緒に帰るのなんて初めてだから本当に緊張しかない。もう今夜は眠れない。どうしよう。
心と澪は他人事のように"明後日の昼休みに詳しく聞かせてもらうね"と絶対に笑いながら送ってきているだろうメッセージを2人からほぼ同時に送られてきた。
どうしよう。眠れない!!