「よーーし!優勝目指してがんばろー!」

「「「おーー!」」」

とうとう体育祭当日。
クラス全員で円陣を組んで気合いを入れる。

私の出る競技はプログラム2番だからすぐ終わる。日陰でのんびり過ごそう。
高校生活最後の体育祭だから写真もたくさん撮りたいなぁ〜!
すでにクラスの女の子たちとは撮ってたりするけど。

開会式のためにゾロゾロとグラウンドへ向かう。
1年生は初めての体育祭だからかウキウキしている子が多い。

一昨年は私もあんな風だったんだろうなぁ。

「なまえ〜心〜!こっちこっち!」

「いた!」

さすがの人混みで澪と離れてしまい、グラウンドで合流し、クラスごとに整列する。

「そういや、なまえスマホ直ったの?」

「直った直った!メールとかLINEとかめっちゃ来てて見る気失せたよね」

「それは、まあ、頑張れ??」

「うっす」

今日の空き時間にメール確認だけしておこう。
クラスのグループLINEが1番動いてたけど、一昨日で止まってるから既読だけつけることにしよう。

まだまだ暑いなぁなんて思いながらボーッとしていると開会式はいつの間にか終わっていて、準備体操も終わっていて。
100m走のために、入場門に整列した。

▽▲▽

100m走を2位で終えた私は自販機でジュースを買ってクラスのテントへと戻る。
競技のために整列したりしているため、チラホラとしか人がいないから日陰を独り占めできそう。

「なまえお帰り〜お疲れ〜」

「いぇーい!」

「なまえなんだかんだで足は速いよね」

「足"は"って…」

「事実でしょ」

「まあ、そうだけどね??」

すでに日陰に座っていた澪の隣に座る。
心は借り物競争のために整列してるらしい。

この時間を使ってLINEの確認をしようと思ってLINEのアプリを開くと、旭から何件かLINEが来ていた。
あー、もう…。未読無視だな。
グループから確認していると、潔子からメッセージが突然届いた。

"後夜祭の時に体育館横で待ってる"

突然なんだ?と思ったけれど、今年も後夜祭は輪の外から眺めようと思っていたからいいや、と思って"わかったー"とメッセージを送って、アプリを閉じた。