あれよあれよと言う間にいつの間にか2学期の始業式。
久しぶりの制服に袖を通す。夏服ももう少しで終わりだ。
結局、旭とはあの後1度もあわなかったし、4ヶ月記念も祝ったりしなかった。
倦怠期ではないと思うけれど、なんだか気が乗らない。
練習試合で私が知らない旭を見てからだ。
こんなに独占欲強かったっけ私。
心たちに相談したら"それが普通だからきにするな"と言ってくれたけど…。
とにかく、今日も笑顔で会えるようにしなきゃね。
始業式のあとに体育祭の競技決めするし、応援練習が放課後からあるらしい。
応援団じゃないから、今日から。応援団は夏休み中もあったらしい。お疲れ様です。
今年も早めの競技にでて、あとはのんびり心たちと日陰で日焼けを避けながら雑談をしよう。毎年恒例。
▽▲▽「おはよー!」
「あ、なまえおはよー!大丈夫?」
「へ?何が?」
「何が?じゃないって。東峰よ東峰」
「あー、うん会ってはいないけどLINEとかで連絡は取ってる」
「そっか、連絡取ってるならまだマシか」
席に座って、クーラーがガンガンに効いた教室に感謝をする。涼しい!!
バレー部は今日も朝練があったみたいだ。体育館のそばを通った時に音がした。
春高予選ももう少しだと言っていたし、また東京合宿もあるらしい。
今回は全く私には関係ないことだけど。
それより、体育祭の競技決めが今日の難題である。
できるだけ楽な競技がいい。
100m走でもいい、走るのは嫌いではないからバーって走ってそれで体育祭の参加競技が終わるならラッキーだ。
プログラムも大体2番目くらいだったし。
「で、なまえどうするの?」
「何が?体育祭の競技?100m走あたりにするつもりだけど。」
「いや、それも大切だけど、東峰についてだって」
「なまえにしちゃ珍しいヤキモチだし、ほっておくとどんなことになるかわかんないよ」
「そっちね…。なんとかなるとは思う。私自身の問題だし」
「そうやって我慢してるから、月1で死ぬほど病むんじゃん」
「ごもっともです」
心と澪に軽いお説教をうける。
2人の言う通りだから何も言い返せない。
でも、なんとかなる気がしてるからなんとかなると思う。
先月はどうにもならなかったから説得力はないけどね。
「旭には迷惑かけたくないから」
「また言ってる」
「我慢することが悪いとは言わないけど、それが時には"東峰の迷惑"になるかもしれないことを覚えておいたほうがいいよ」
「うん、大丈夫。大丈夫」
「なまえらしいっちゃらしいんだけどね〜…」
「まあ、ある意味取り柄」
「褒めてもハイチュウくらいしか出ないよ?」
「「ハイチュウ持ち歩いてんの?!」」
「今日はたまたま。食べたくてコンビニで買ってきた」
ゴソゴソとハイチュウを鞄から取り出して心と澪に渡したところで久しぶりに見た先生が教室に入ってきた。
2学期の始まりだ。