「だから言ったでしょ?旭が慣れるまで…って…。私も名前で呼ばれるの恥ずかしいしこれでいいの!ハイおしまい!澤村たち休みなの珍しいのに課題させてあげて」
合宿報告会を強制終了させて、澤村たちを勉強会へともどす。
これ以上話してたら私の心臓がもたない。
私たち女子組は夏休みの計画を立て始めた。
「で、プールいつ行く?」
「心と澪に私は合わせるよ〜」
「今月の30日とかどう?部活ちょうど休みなんだけど」
「あ、私もバイト休みだー!じゃあ、30日プール決まりね!水着はなまえ新しいの買ったんだっけ」
「そうそう、花柄のワンピース型のふりふりのやつ!写真見る?」
携帯のカメラロールをスクロールして、水着の写真を探し、心たちに見せる。
「めっちゃかわいい!これワンピース型にもビキニにもなるやつだね」
「そうそう、でもお腹やばいからワンピース型かなー」
「それは女子みんなの悩みだからね」
勉強している人の隣でキャイキャイ言いながら夏休みの予定を立てるのは酷かもしれないが、高校最後の夏休みだ。
思いっきり楽しみたい。
心と澪は就職組だから、来年の春からは予定が合いにくくなるだろうし、私も専門の実習とかあるからなかなか会えないと思うから楽しみたいのだ。
「花火大会あるじゃん、あれどうする?」
「浴衣着たいねー」
「なまえも心も何言ってるの、花火大会くらいは東峰と行きな。プールはさすがに私が許さないけど」
澪は私のお母さんか何かですか。
急に話をふられた旭の目が点になっている。
「部活の邪魔にだけはなりたくないから、いいんだよ澪」
「でもさー、高校生活最後の夏だよ?楽しまなくてどうするの?」
「バレーしてる旭が見れたらそれで充分だって前から言ってるでしょ??この話はおしまい!プールの話に戻そう?」
パチンと手を叩いて話を戻す。
旭の迷惑にだけは本当になりたくないから。
「なまえ泳げないんだから浮き輪ちゃんと持参してね?」
「わかってまーす」
「まあ、ある意味なまえの浮き輪でナンパ避け感はあるよね」
「わかる。最近の中学生とか身長大きい子多いし、浮き輪持ってたら中学生に去年間違えられたしね」
「2人さ、それ私の胸がないって暗にdisってない??」
「まな板じゃないだけマシだと思いな。というか中学生でもでかい子はでかいから」
「まって??フォローはせめてして??虚しくなるよ?」
「お前らさ、公共の場で、しかも男子高校生が隣で勉強してるのに胸の話はやめろって…」
ヒートアップする胸の話を呆れ顔で止めるのはバレー部のお父さんの澤村。
「みょうじは彼氏がそこにいるんだから気をつけろって」
「お父さんみたーい」とちゃかすと、はぁとため息をついて課題をまた始めてしまった。
まあ、確かに男子高校生の前でそんな話は軽率だったかな?とは思うけど。