家の晩御飯終わったら、コンビニ行って、コンビニ限定アイス買うんだ〜。と思いつつ、鼻歌を歌いながら料理を作っているとおばちゃんに「若いって素敵ね〜」と笑われた。

まだ17歳で華の女子高生を一応やってるから若くなけりゃ困る。
恋愛に関しては小学生以下だと心に言われた。

あ、そう言えば心達にこのことを報告したら、「なんだその少女漫画展開!美味しいかよ!」と心に言われ、澪には「これで何も進展なかったらとりあえず東峰殴るわ」と言われた。

「東峰には内緒なの」と言うと、2人揃って「なまえらしいけど何してんの!」と言われた。
「とりあえず、なまえが帰ってきたら集合な」という澪の一言で昨日の夜のLINE会議は終わりを告げた。

「なまえちゃーん、こっちお願いしてもいいー?」

「あ、はーい!」

とりあえず、今はみんなの晩御飯を作ることに専念しよう。
新作アイス楽しみだ。

▽▲▽

晩御飯を終えて、お母さんに「コンビニ行ってくると」伝えて、財布と携帯だけを持って玄関を開ける。

「上何か羽織っていきなさいよー!ここ冷えるから!」

「すぐ戻るから大丈夫!」

なんてやりとりをしてきたものの、少し肌寒い。
今まで夜に出ることがあんまりなかったからなぁ
山に囲まれているから、気温が低いんだろうなぁとおもいながらコンビニからアイスを買って出たところで、

「みょうじ?」

と東峰の声がした。

「わー!烏野3年生軍団だ〜」

東峰の隣には安定の澤村と菅原がいた。

「3年生軍団ってなんだよ…」

「その通りだけど?ていうか、ほんとうに会えたね東峰」

「う、うん…」

「え、なに。」

「私、おととい?くらいからここの近くのおばあちゃん家に来てるって言ったら、東峰も合宿で森然きてるっていうから会えたらいいねって話をしてたの」

ニヤニヤしながら東峰を見つめる澤村と菅原。気まずそうな顔をしている東峰。
学校外でもこのやりとりが見れるのは楽しいな。

というか、3人の部屋着?を見たのは初めてだ。
まあ、当たり前だろうけど。

「みょうじ寒くないの?」

「ちょっと肌寒いかなーとは思うけど。東峰はちゃっかり薄手のパーカー着てるのさすがだね」

「ほめてる…?」

澤村と菅原は2人で話をどーぞと言わんばかりに、コンビニにそそくさと入って行ってしまった。

「…?!」

急に東峰がパーカーを脱ぎだしたので何かと思えば、パサっと私の肩にかけてきた。
確実に私の顔は真っ赤だ。

「風邪ひいたらダメ、だから。」

「ありがとう………」

受け取ったパーカーはジップ式で、袖を通してジーーッと上までチャックを上げる。
当たり前のようにでかくて袖がデローンとなってしまう。

「東峰は寒くない?大丈夫?」

「うん。みょうじに風邪引かれるよりマシだから…ネックレス付けてくれてるんだ」

「うん。ちゃんと毎日つけてる」

テロンとなった長袖を捲りながら、終業式ぶりの東峰の声を楽しむ。

「旭〜そろそろ帰るぞ〜」

「あ、うん」

コンビニから澤村と菅原が出てくる。
半袖になってる東峰と、大きすぎるパーカーを着ている私を交互に見てニヤニヤし始めた。
まあ、わからないわけないわな。

「じゃあ、またね。洗って返すねこれ。明後日以降で出てこれそうな時LINEして?森然まで持っていくし」

「宮城帰ってからでもいいよ?」

「東峰に風邪引かれても困るから。じゃあ、ぜっったいに連絡してね」

ひらひらと手を振りながらおばあちゃん家にかえる。
アイスずーっと持って話してたな…。
カップのアイス買っててよかった。しっかり冷凍庫で冷やしてから食べよう。
名前を書いておかなきゃ食べられるから、しっかり書いておかなきゃ。

パーカーから東峰の匂いがする。
………、変態みたいだやめよう。