「いた!木兎さん…!蛍くんお借りしますね……」

木兎さんが捕まえているという言葉を手掛かりに蛍くんを探すならば、第3体育館が1番手っ取り早いだろうと思い第3体育館へ行くと見事にビンゴ。

「おうよ!黒尾に"なまえが来るまで離すな"って言われてた」


「ありがとうございます…赤葦くんも…」


「いえ。」


捕まえてくれていた2人にお礼を言って蛍くんを連れ出す。
今度は混乱している立場が逆だ。

「なまえさんなんですか。」

「たった数十分の出来事で、嘘だろって言われちゃったらそこまでなんだけど、私は蛍くんがloveの意味で好きなんだと思いました…」


「………」


「いや、思いましたっていうか、結構前から好きだったんだなって杏樹に言われたし鉄朗さんにも言われた。情けない年上だけどこんな私でも好きでいてくれますか?好きでいてもいいですか…?付き合ってくれませんか……?」


「そんななまえさんだから僕は好きになったんですケド。やっと気持ちが伝わってよかったです。」

「なんか、いろいろごめんね…」


「なまえさんに好きだって言われて全部ぶっ飛びました」

「それならよかった。いや、よくないの……か?」

「付き合ってくださいをなまえさんに取られたのは癪ですけどね。」

「まってどこはりあってるの」


「今からカレカノってことで本当にいいですか?」

「それはこっちのセリフだよ…」


付き合うまえと全く関係性やお互いに対する態度が変わらないということを考えると、やはり杏樹の言う通り、結構前からお互いがお互いに惚れていたんだなぁと思う。

「蛍くん、これからもよろしくお願いします。」

「こちらこそ」

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