「日向ぁぁ!!」
「旭さん?!?!」

日向くんと旭さんの名前を呼ぶ声が響く合宿二日目兼最終日。
練習中に事件は起きた。


なんと2人が空中で激突してしまったのだ。

謝りながら、慌てて「大丈夫です!」という日向くんに対して、コーチたちの空気が変わったのがわかった。

午後の練習が始まった頃には、もう日向くんと影山くんは言葉を交わすことはなかった。

▽▲▽

「じゃあ、また夏休みに」


そう言って、研磨や鉄朗さんに別れを告げ、宮城に戻る。


今回のは夏休み前のプチ合宿のようなもので1泊2日。夏休み中に行うのは丸々1週間である。
次のは森然高校で行うらしい。


帰りの新幹線で起きているわけもなくて、皆爆睡。
もちろん私も。

他校のマネージャーさんと沢山お話できたのはとても楽しかった。
夜に恋話をしようね!と約束をしていたけれど、みんな疲れ切ってしまってお風呂を出て髪を乾かしたあとに、寝てしまったのだ。

夏休み中の合宿でリベンジね!と梟谷のマネージャーさんと約束をした。


「なまえちゃん、起きて?」

「んっ………、潔子さん……。もう駅着きました?」

「もうちょっとで着くよ?」

「降りる準備しなきゃですね…」

うつらうつら忘れ物がないか席の周りを確認する。
時間を確認しようとスマホを見ると、新着メールの通知がロック画面に表示されていた。

このご時世にメールを送ってくるのは、ガラケーの鉄朗さんくらいだ。
そろそろスマホに変えたほうがいいと思うんだけどなぁ。

メールの内容としては、合宿お疲れ様、杏樹によろしく。という真面目な内容1割早くメガネくんとくっつけ。やらくだらないこと9割だった。

「あ、着いたね、降りましょう」

返信の内容を考えているといつの間にか仙台に着いていた。
駅からは各々の帰路につく。

明日は1限から古典だなぁ、まあ当たらないだろうから大丈夫なはずだ。