ガラガラっと扉が開き、主役は遅れて登場。
日向くんと影山くんの到着だ。
田中くんのお姉さんの運転により、無事に初日の練習が終わる前に到着することができた。

しかし、田中くんによく似てるなぁ。姉弟ってこんなに似るものなのだろうか。

「なあ、なまえ。烏野の奴らのTシャツのセンスはどーなってんだ」

「それは………。」

東のサムライというTシャツを着た田中くんとセッター魂というTシャツをきた影山くん。
なんだろう、この通じるものは。
鉄朗さんが気になるのも不思議じゃない。

「ごはんですよ〜!」

烏野初ペナルティ無しの試合の後に晩御飯。

唐揚げとか、サラダとか、たくさん食べれるようなものをマネージャーで分担して作る。
ゼリーなら簡単に大量に作れるのでそれもデザートとして作る。

「沢山食べてくださいね」

「「「いただきまーーす!」」」

モグモグと高校生たちが食べていく姿を見るのは楽しい。
食堂は広いので、みんなで集まって食べることができる。

日向くんが研磨にごはんをたくさん食べさそうとしているのも面白い。

すすっとあまりごはんをたべていない蛍くんの隣に座る。

「蛍くん食べてる?」

「なまえさんこそ食べてますか」

「いつもよりは少ないけど食べてるよ」

なんだか呆れた顔をされた!
疲れてて食欲ないんだってばこのやろう

「なまえとのっぽメガネくん仲良いね〜」

「鉄朗さん…!」

この顔はやばい。
楽しいことを見つけた、という顔をしてる。杏樹と同じ顔。

「………どうも」

「一緒に食べよーぜー」

「………はあ、」

鉄朗さんの雰囲気に押されている蛍くん。
押されないほうがおかしいくらいだけど。

私が一番心配していた、鉄朗さんが私たちが一緒に住んでいることをバラすという事件は発生することがなく、初日を終えることができた。

▽▲▽

「おはようございまーす!」

プライバシーがあるため、扉を開けるだけにして留める。
これだけで彼らが起きるのかは不明だが。

「早く起きないと朝ごはん抜きですよ〜!」

フライパンをお玉で叩いて回るという古典的な起こし方をする私と梟谷のマネージャーさん。

3年の木兎先輩はこうしても起きないらしく、2年の赤葦さんが手を焼いているらしい。

「はいおきて〜!」

学年ごとに分かれるか、学校ごとに分かれるかで揉めたらしいが、初日は学年ごとに分かれることにしたらしい。

梟谷のマネージャーさんは、3年生が寝ている奥の部屋から、私は1年生が寝ている手前の部屋から攻めることにした。


「あ、蛍くん起きてた、おはよう」

「それだけ騒がれてたら大抵の人は起きます。まあ、王様と日向は起きてないですケド」

「2人らしいね」

「朝ごはん何ですか?」

「いつもと殆ど同じだよ、忠くんもまだ寝てるじゃん。みんな起こして食堂きてくださーい」

さっきまで起きていたはずの忠くんが寝ているから、いつの間にか二度寝に入ってしまったらしい。

昨日、たくさん練習したから、その気持ちはわかるけど今日も頑張ろう。

フライパンをお玉で叩いて、2年生のところへと向かうことにした。
研磨は普通に起きてなさそうだなぁと思いつつ。