「おお!あれはもしかしてスカイツリー?!」

「田中くん、あれはただの鉄塔だから。」

期末テストを赤点なしで乗り切った組は一足早く東京入り。

日向くんと影山くんは赤点が1つだけあったため、後から合流する予定である。
田中くんがいい交通手段を提案してくれたためなんとかなるそうだ。

「で、なまえはなんで髪切ってんの?あと、茶髪に戻ってるし」

「鉄朗さん……。IH予選終わって気持ちを切り替えようと思って…。あと、鉄朗さんに言われたようにずっと隠し続けるの無理あるなって思ったんで」

「そういや杏樹も驚いてたわ〜」

「杏樹の騒ぎようは本当にすごかったです」

「あと、あの眼鏡のっぽ君と同居して「あーーーー!!!!鉄朗さん研磨は!!どこですか!」

烏野のみんながいるところで蛍くんと同居していることを鉄朗さんに大声で話されそうになって思いっきり遮る。
杏樹はどこまで鉄朗さんに話してるんだ!!

「鉄朗さん、その話は一切秘密なんで黙っててください」

「あ、そうなの?てっきりそこも話してるのかと」

「田中くんたちがうるさいんで黙ってるんです……」

"なるほどね"とただの鉄塔を見てテンションが上がっている田中くんを横目にふよふよと歩いていく鉄朗さん。

今日も髪型がきまってます。


「タオル洗濯行ってくるから、やっちゃんはドリンクお願いしていい?」

「シャチ!」

梟谷の美人マネージャーさんに洗濯機の場所を教えてもらう。

「なまえちゃんって呼んでいい?」

「あ、はい!もちろんです!」

「音駒の主将と仲良いけど、元々知り合いとかなの?」

「私の友人の従兄弟なんです」

「なるほどね!あ、ここね洗濯機」

柔軟剤などの場所や使い方を教えてもらって洗濯機のスイッチを押し、体育館へと戻る。

合宿といえば、GWの合宿では名前呼びがバレたりした苦い思い出があるから、悪い予感しかしない。

一緒に住んでることがバレたときのことを考えただけで冷や汗が出る。

鉄朗さんには本気で口止めをしておかなければ。