1回戦は強豪校と呼ばれる学校ではなかったため、そこまで手こずることなく勝利を収めた。
でも、烏野のみんなは手を抜くことなく、この会場で誰よりも必死にくらいつき、必死に戦っていた。
ものすごくかっこ良かった。
「おつかれさまでした〜!」
お昼ご飯を食べているみんなのところへ駆けつける。
「なまえちゃんも応援おつかれ」
「いえ!潔子さんもおつかれさまです」
「お弁当食べましょ?」
ポンポンと自分の座っている隣を叩いて、座って?と言ってくれる潔子さんは今日も美しい。
お昼ご飯とは言っても、試合に出るわけじゃないのに、緊張してしまっていてあまり食べれないだろうなと思っておにぎり1個持ってきていたためそれをかばんから取り出す。
「え、それお昼ご飯?」
「はい…。あんまりお腹空いてなくて…」
「だめよ?ちゃんと食べて」
「お腹空いてないんです……」
「なまえちゃんに倒れられると、心配だからしっかり食べて欲しい」
そう言って、お弁当の中のおかずを差し出してくる潔子さん。
所謂、アーン状態。
「じゃあ、いただきます……」
「うん」と言って微笑む潔子さんはやっぱり烏野の女神だと思った。
▽▲▽2回戦は朝絡まれてた伊達工業高校との試合。
この前、負けたということもあってさっきよりも緊張感がすごい。
こっちまで胃が痛くなりそうだ!
「あれ、烏野の新しいマネージャーちゃん?」
「………っ!おい、かわ先輩……」
突然、青葉城西高校の主将の及川徹先輩に声をかけられる。
月刊バリボーで見かけた彼はかっこよかったはずなのに、チャラいという印象を私に今植えつけた。
「マネージャーちゃん俺のこと知ってるの〜?ねー!岩ちゃん、烏野の新しいマネージャーちゃん俺のこと知ってるんだって」
「バレー部のマネージャーしてんだから、ここの地区のバレー部の主将は嫌でも見たことあるべ」
ふと視線を感じて、コートの方に目を向けると、こちらを睨んでいる影山くんの姿が。
ああ、そっか影山くんは及川先輩に憧れてたって聞いた記憶がある。
「烏野こわいね〜、じゃあまたねマネージャーちゃん」