「おはよーございまーす」
会場まではバスで移動するので一旦学校に集まることになっている。
私と蛍くんと忠くんが学校に着いた時には3年生4人が集まっていた。
「おーっす」
「はやいな〜」
「蛍くんが早起きだったんで付き合わされました〜、ね?忠くん」
「え、あ、え?!」
「てか、みょうじ、山口のこといつの間に下の名前で呼ぶようになったんだ?」
「いつからっていうのは明確に覚えてないんですけど最近です」
「はざーーっす」
大地さんたちと忠くんの話をしていた時に、その他の人がみんな荷物を持って学校へとやってきた。
とりあえず、この前のバス移動で気分が悪くなってしまった日向くんに酔い止めを飲むように手渡す。
あの時のことを話す田中くんの顔は未だに忘れられない。
「じゃあ、そろったし行くか!」
「「はいっ」」
▽▲▽バスの中は大会の数時間前とは思えないくらいゆっくりと、でもワイワイとしていていつも通りだった。
いつも通りが一番心強くて、一番実力を発揮できるんだと私は思ってる。
会場に着くと、安定の潔子さんの美しさに男子からの視線がすごくて、それを遮るようにぐるぐる西谷くんと田中くんは面白かった。
背の高い無愛想な男の子がいる学校にも絡まれていた。
そこまで詳しくないけれど、あのジャージは確か伊達工業高校のはず。
あの背の高い子が飛べば日向くんは捕まってしまうかもしれないと思うくらい高い。首痛いな??
「旭さん大丈夫でしたか?一番ガン飛ばされてましたけど」
「あ、うん………なんとかね……」
「なら良かったです………」
さっき、着替えてるみんなの足首に私があげたミサンガが付いていたのがものすごく嬉しかった。
がんばって作って良かったなぁ。
「じゃあ、私、垂れ幕を観客席につけてきますね!大丈夫です皆さんは強いです勝てますいけます飛んでくださいね」
「ありがとな」
そう言う大地さんの笑顔を見て、観客席へと向かった。