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部活を終え、帰ろうと思い歩いていると第二体育館の中から声が聞こえてきた。

「もう一本!決まるまで!」

ちなみに、明日もまた顧問の用事のお陰で部活は休みとなるため楽器を抱えている。

チラッと覗くと、東峰くんがアタックを打っていた。
ブロックをしていた相手側の子達の手を弾き、そのままコートへとボールが叩きつけられる。

ゾワッと鳥肌がたった。

なんだろう、この気持ち。言葉にできないものがフツフツと湧き上がってくる。

きっと東峰くんは明日の朝、体育館を見つめて悲しそうな顔をしていないだろう。

▽▲▽

教室へと行くと、いつも隣にいた東峰くんがいなかった。

あれ?いつもならこの時間来てるはずなのに…。
そう思っていると、廊下から澤村くんの声が聞こえてきた。

「旭!今日も部活ちゃんとこいよ!」

「わ、わかってるよ!」

しっかり者の主将に気弱な返事をするでかい小動物こと、東峰くん。
そっかバレー部に戻ったんだから、朝練でてるのか。
自己完結をしたところで丁度よく東峰くんが席に着いた。

「バレー部戻ったんだね!」

「あ、うん。ありがとうみょうじさん」

「私は何にもしてないよ!戻ることを決めたのは東峰くんだから」

そう答えると、今まで以上に柔らかい笑顔で、柔らかい声で


「ありがとう」


そう言ったのだった。


Fin.

voce pastosa
柔らかい声で