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「きっと、澤村くんも、そのすごい1年生も東峰くんのプレーを見たいって思ってる。だから、」
"顔晴れ"
頑張ってる君にこれ以上の頑張れを押し付けるなんて酷なことをしたくない。
だから、顔晴れ。
終わった後に笑顔になれるように行動すればいいんだよ。
そんな悲しい顔しないで。
きっとみんな東峰くんの笑顔が見たいから。
「あ、ごめん!ポエミーだったよ…ね?本当にごめんね!また明日」
恥ずかしくなって楽器を抱えて早足で教室から出ていく。
あー、やっちゃったよ。引かれたよね確実に!
▽▲▽次の日はどこか気まずくて、朝の挨拶もせずに席に着くと、話しかけられぬよう机に突っ伏した。
休み時間はちっちゃいオレンジ髪の男の子と目つきの悪いおっきい男の子が東峰くんのところへ来ていた。
「パァッて広がるんです」
「こいつのトスがあるから勝てます」
やっぱりバレー部か。
エースって呼んでた。東峰くんはエースなんだ。
きっと、欠けてはならない大事な最も大事な人だったんだ。
そう思うと急に睡魔が襲ってきて、放課後まで爆睡をかますことになったことは少しだけ後悔している。
important大切な