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バレー部の人たちと会話をすると少しだけ心が晴れた気がするので教室に戻る。

今日は合奏がないためパート練習をよりしなければならなかったことを思い出し早足になる。

烏野高校吹奏楽部では楽器を持って走ることはご法度だ。
だから、みんな早歩きをして走っているのかわからない結構ギリギリのラインの速度を保つ。

「ただいまー!」

そう、元気に扉を開けた先には智恵と東峰くんがいた。

いや、なんでいるの東峰くん。
というか、なんで智恵と仲良くお話ししてんの。

「あ、なまえおかえり〜!」

ひらひらと手を振る楽器を足の間に挟み椅子に座っている智恵。
そして、少しびっくりしたような顔をしている東峰くん。

「東峰くんと智恵って仲良いの?」

楽器を机にぶつけないように2人に近づく。

「去年同じクラスだったんだよね。東峰くんこんな風貌だから怖がられること多いみたいでさ〜!でも実際はクッッッソへたれでもうギャップすごすぎて!」

「え、まじで?」

びっくりな言葉がとんできてついつい言葉遣いが悪くなってしまった。

「まじでまじで。外見だけでもワイルドになりたくて髭伸ばしたり髪の毛伸ばしたりしたんだって!」

手を叩きながら笑う智恵の隣に少し困った笑顔を浮かべる東峰くん。

「私、東峰くんはすごい怖い人だと思ってたよ…」

「えっ…」

「でも、こんなに優しい人ってわかってたらもっと早く仲良くなってたのに〜!これから仲良くしてよ東峰くん!」

そう言ったときに私に微笑んでくれた東峰くんは、困ったような笑顔じゃなくて、とても嬉しそうな優しく柔らかい笑顔だった。

dolce
優しく・柔らかく