■ ■ ■
声のした方を見ると、坊主頭の男の子がドリンクボトルだろうか、そのようなものを持ってこちらをしばらく見つめていたようだ。
「あ、すみません練習の邪魔しちゃって……」
「いや、休憩に入ったところだったから大丈夫だよ」
「澤村くん」
そこには坊主頭の男の子と同じドリンクボトルを持った、去年同じクラスだった澤村くんが立っていた。
というか、マネージャーの潔子ちゃん含め、男子バレー部の人たちが体育館の入り口に立ち私の方を見つめていた。
「そーいや、みょうじって吹部だったっけ」
「そうだよ〜!」
澤村くんは私が気楽に話せる男子の1人である。もちろん、菅原くんや潔子ちゃんとも気楽に話せる。
バレー部の人たちはみんないい人だ。
「教室だとなんかのらなくて、ここまで来ちゃったんだよね…」
「なまえからのらないって聞くの初めて」
「潔子ちゃん!いや、まあ、確かにそう感じたことは一度もなかったけれどさ!」
「ふふっ、またなまえの音聞かせてね?」
「もちろん!!」
潔子ちゃんと話していると心が洗われる。
私なんかが会話をしていいのか不思議になるほど美人だ。
「潔子さんが女子とお話をしている……!!なんていい光景なのだ!」
なーんて坊主頭の男の子が呟いている。
潔子親衛隊といったところだろうか、潔子ちゃんは愛されているなぁ…。
「じゃあ、練習再開するか!みょうじ!よかったらまたここで吹いてくれよ」
「バレー部の皆さんがいいなら、もちろんだよ」
さすが主将の澤村大地。
メリハリちゃんとしてるなぁ。
lumneux明るく・輝く