白昼夢



「深紅……」

「なんだ?……って。えええええ!!!?」



驚いた。びっくりした。驚愕した。なぜなら自分に話しかけて来たのはあのミスフォーチュンだからだ。自分を避け嫌っていたあのミスフォーチュンが!しかも普通にだぞ!

夢か?そうかこれは夢だ!だってミスフォーチュンがこんな誰かに悩みを聞いて欲しそうにして俺に話しかけてくるわけないもんな!というか悩みさえ話さないんじゃないか?こいつ。

夢なら夢なりに…まあ、俺も合わせてみるか。

…おもしろそうだし!!!?



「どうした?」

「………」

「………?」



そんなに見つめられるとなんか怯んでしまうんですけどー……。



「な、なんだよ…」

「話す気失せた」

「はあ!!!?」



意味わかんねえ!!!夢は夢でもこいつはこいつって事か。外見は美人なのに妙に可愛げなくて憎たらしいな!

でも落ち着け、これは夢。
夢の中にまでこいつに振り回されるなんてごめんだ。
冷静になれ、俺。



「そんな事言わずに言っちまえよー」

「………!!?
何、気持ち悪…」

「そうか?」



夢だと思えば全てが許せる。それが心地よく妙にニコニコしていた。ミスはその気迫に押されたのか、若干退いていた。

ちょ。そんなにドン引きされると傷つくぞ。俺。



「か、帰る…」

「んな冷たい事いうなよ〜。今の俺はご機嫌だからなんでも聞いてやるって」

「嫌だ。帰る」

「ちょっとストォォォォップ!!!!」



もっと構ってくれ!夢の中のミスフォーチュン!
面倒事に巻き込まれたミスは参ったと目で語っていた。多分な。顔に出なくても目に出てくるのな。










「調子乗ってない?」

「夢だからな」

「は?」



夢かどうかは、
あなたの判断次第…
130222



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