▽灰男/アレン 

「そんなに拗ねて、どうしたんですか?」
「……食べ物が羨ましいなぁ、と思いまして」
「…へ?」
「そんなに幸せそうに食べられて…わたしも食べ物になりたいです。食べ物に嫉妬します」
「……ぷっ」
「……何笑ってんですか」
「食べ物に嫉妬って…っ、あははっ」
「………アレンくんなんか嫌い」
「ちょ!誤解しないでくださいよ!」
「……」
「あなたもある意味で食べ物じゃないですか」
「…うん?」
「それに、いいんですか?ただの食べ物で」
「……幸せそうに食べられるならただの食べ物でいいです」
「……わかりました。それじゃあいただきます」
「…へ?あっ、ちょ!」

そうして、アレンくん?!と、叫ぶであったであろう声は、彼の唇によって食べられたのでした。
(っ、もう無理です…もう骨しか残ってません…)(ああ、大丈夫ですよ。僕は骨まで食べる主義ですから)(へ?!ちょ!やめっ…)(骨の髄まで食べさせてもらいますね!)

もはや恐怖でしかない。

20120921


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