マルコside小説
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#52 神様からのプレゼント
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危険なフライトをぎりぎりの処で回避できた私は、飛行中一睡も出来なかった事もあり、自宅に着くなり強烈な睡魔に襲われた。
トランクも玄関に置き去りのまま、ソファーになだれ込む。
私を家まで送ってくれた後、後で来ると彼はどこかへ行ってしまった。いつ来るのかは分からないが、眠さ限界の私はそのまま寝てしまった様だ。
そうして浅い眠りの時だったのか、触れた唇の感触に意識がゆっくりと浮上していった。
「………」
「おはよう#name#…」
「ん…お、はようございます」
「よっと、寝るならベッドで寝ろよい。風邪引くだろい?」
そう言葉を掛けながら、私の肩を支え起きる手伝いをしてくれる彼。
「眠さ限界で、マルコ先輩こそ眠くないんですか?」
「あぁ、大丈夫だい。それよりよい、これ」
「ん?あ、あの時の指輪と…婚姻届!?」
「おぅ。今度こそ受け取ってくれるだろい?それとここにハンコ押せよい」
「これを…取りに行ってたんですね」
「あぁ。寝てる暇なんてないだろい?」
「別に明日でもいいじゃないですか…何でそんなに急かすんですか?」
「#name#。オレはお前と一刻も早く恋人以上になりたいんだい!」
「恋人以上ですか…わゎっ!詰め寄らないでくださいよ!」
「書いてくれるだろい?」
「っ…! はい」
そうして怒涛の様に迫りくる彼に若干諦め気味に溜め息を吐いた後、私はペンを走らせる事になったのだ。
それから旅行中、散々ともう散々と体を交えたというのに、記念日だからと理由を付けた彼に抱かれる事数回。疲れのピークをとっくに過ぎていたのだろう彼は、まるで少年の様な無邪気な顔で寝息を立てだしてしまった。
そんな彼を頬杖を付きながら眺める。付き合いだしてまだ一年も経っていないと言うのに、彼はどうしてそんなに急ぐのだろうか?ほんとに私でいいのだろうか?
もう何度も問い掛けた言葉を再び思い描く。
彼ならば私じゃなくとも、他に素敵な人なら選り取り緑に選べるだろう。
自分で言うのも悲しいが、とても釣合っているとは思えない。それでも四六時中愛を囁いてくれる彼に、本心を言えば絶対的な信頼を寄せているのは確かだ。
何もかも優しく包み込んでくれる彼。何気ない我儘も、欲望も、私が口に出さなくとも察してくれる彼。何かあれば電光石火で駈け付けてくれるだろう彼。言い出したら限がない程溢れてくる彼への想い。
あぁ、やっぱり私も彼じゃないとダメみたいだ。
すやすやと眠る彼を見つめながら、胸が苦しいくらいに愛おしさが込み上げてきた。
『幸せだねい。こんなにオレに愛されて』
旅行中に言われた彼の言葉が蘇った。ほんとに幸せ過ぎて困ってます。
そんな想いを彼にぶつけ、触れるだけの口付けを送った。
貴方は全力で愛を囁いてくれるけど、少し臆病な私は、胸の内で愛を囁いています。
きっと、そんな私の心中も察してくれていると思うけれど、貴方が思っている以上に、私は貴方に溺れているのだと思う。
あの日、階段から落ちる私を助けてくれたのも、偶然そこに居合わせたのが彼なのも、全部神様からのプレゼントだと。
そう信じて止まない私は、左の薬指に光る愛の形をなぞりながら、再び眠る彼に口付けたのだった。
そうして彼の卒業と同時に、待ちきれない彼に促され早々と式を挙げる事になった私達は、現在、神様の前で再び誓いを立てているのだが…
「誓うに決まってるだろい」
「もう!余計な事言わなくていいんですよ!神父さんに喧嘩売ってどうするんですか!?」
「だってよい、さっきからオレの愛を疑う様な事ばっか聞きやがって」
「そうゆう形式なんですよ!」
「はっ、そんなの知るかよい。疑ってんじゃねぇぞ、命に掛けて誓うよい!」
「はぁ…。あっ、私も誓います」
「命掛けないのかい?」
「…掛けてますよ。心の中で」
「口に出せよい!神様に誓うんだろい?」
「……命に掛けて誓いますよ!!」
「何怒ってんだい?変な子だねい」
「っ…!!」
そんな永遠の愛を誓い合った私達は、本日恋人から夫婦になりました。
貴方に逢えて本当に良かった。これから先も、その深い愛で私を溺れさせてくださいね。マルコ先輩。
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ここまでお読み頂き誠に有難う御座いますm(__)m
無理矢理終わらせた感じでスミマセンm(__)m
取り敢えず完結です(θжθ)
続編も書きます!はい!
それではマルコ先輩お疲れ様でした!
マルコ「……(θжθ)よい」