マルコside小説 | ナノ
#06 彼との始まり
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無事、マルコ先輩に想いを告げれた。
所構わず抱き着いてしまったのは、顔から火が出るほど恥ずかしかったけど…
あの後、お腹が空いたと言うマルコ先輩と夕飯を食べに行き、家へと帰った。
どこか泊まって行くかと聞かれたが…今日は止めときます。と断った。
マルコ先輩はかなり残念そうだったが、制服のままだったし、それに、これから幾らだって時間はあるのだからと。
「じゃぁ…寝る前にメールしろよい」
と言った後も、とても離れがたそうにいつまでも手を握っているマルコ先輩に、自分からキスをした。
「はい。メールしますね」
じゃぁ、運転気を付けてと、
きっと、いつまで経っても離しそうにない手を私からキスをした事により一時停止してしまった隙に、スルリと抜き去り、扉を閉めた。
マルコ先輩は未だに止まっていたみたいだが、自分からしたとは言え恥ずかしさのあまり走って家まで帰った。
部屋に着き、バタンと大きな音を立てて扉を閉める。
手で口を覆いながら、私も随分大胆になったなと、先程の事に耳まで赤くなった。
寝る支度をして、ベットに入る。目を閉じればマルコ先輩の顔。
あぁ…何か幸せだ…
と思ったところで、同時にローの顔が浮かんだ。
女はどんなに悲しい出来事があっても、お世話と新たな恋を入れるスペースは、ちゃんと残しているのだと。
昔テレビで誰かが言っていた。
ホントだな、と思った。
ローの事で、頭の中悲しみでいっぱいだったのに、今はもうマルコ先輩でいっぱいだ。
ローとは、暫く気まずくなるだろう。
いつか…また冗談を言い合える仲に戻れたらいいなと思う。
"お休みなさい"
食事のお礼と、最後に大好きですと載せて、メールを送った。
直ぐに返信がくる。
"愛してる"
おやすみと。
思わず顔が緩む。
マルコ先輩とのこれからを想い浮かべながら、もう一度、大好きと呟き私は夢の中へと旅立った。
am5:24
『プルルル…プルルル…プルルル…』
『………はい』
『あ、寝てた?ママだけど』