マルコside小説 | ナノ

#05 彼の悲願



ローside




#name#と別れた。
否、振られたのか…


別れ話をしている#name#は、しっかりとオレの目を見ていやがった。

事実を言っているんだと、その目を見れば、充分伝わる程だ。

そんなあいつが話し終えても、オレは一言口にするので精一杯だった。


口を開けば、次から次へと、#name#に罵声を浴びせちまうと感じたからだ。

そんなダセェ事はしたくねぇ。


#name#が帰った後、静寂に包まれた部屋で、オレの頭は壊れちまうんじゃないかと思ったくらい、ぐちゃぐちゃだった。


何故だ…何故こうなった?何が悪かった…?

絡んできた女か…
偶然居合わせた#name#か…
隙を見せたオレか…

何だって言うんだ。
全くの誤解だと言うのに。

しかも、他の男に惚れただと?

冗談も休み休み言ってくれ。

お前とオレは、そんな軽い関係だったのか?

ふらっと現れたヤローに、意図も簡単に奪われちまったなんて…

悪い夢なら覚めてくれ。

しかも、相手があのマルコだと?
どう言う事だ。
#name#とあいつの出会いは…確か…怪我の時か。

あれから秘かに、愛を育んでいたなんて言わねえよな…?
オレの目を盗んで?

嫌、#name#はそんな器用な女じゃねぇ。

では本当に、一晩で恋に堕ちたとでも言うのか…


何て事だ。
過去を後悔するなんて、バカらしいと従順承知だ。
だが、この気持ちをどうしてくれよう…




今日も学校は休むか。
今は#name#の顔を見れねぇ
幸か不幸か隣の席ときたもんだ。
あいつもかなり気まずいだろう。


これからどうする?
諦められるのか…
それとも、奪い返すか?


いや、それは無理だろう。
このオレを差し置いて選んだ相手だ。
そう簡単に、#name#の心は揺らがないだろう


はぁ……くそっ…。

何だって言うんだ。

寄りによって何故あいつなんだ。
奴の性格までは知らねぇが、男のオレから見ても、充分惹かれる男だ。

今のオレには…勝てる気がしねぇ…

ハッ…情けねぇな。

どこぞの糞ヤローに盗られるよりましだと、思えば少しは気が楽か…



そこまで考えた処で、キリがねぇと、この寂寞の想いを遮断するように目を閉じた。


#name#…

名を思い浮かべるだけで、こんなにも胸が切なくなる。

なぁ…#name#、オレはどうすればいい?

お前へのこの気持ちは本気だ
この先、ここまで入れ込める相手は現れないかもしれねぇ…

お前が他の奴を想っていようと、二度と手に入らないとしても、オレはこれから先もずっと思い続けていくだろう…。




なぁ…頼むから…
悪い夢なら覚めてくれ





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