マルコside小説 | ナノ
#05 彼の悲願
![](//static.nanos.jp/upload/j/jyuira/mtr/0/0/20110915235804.gif)
ローside
#name#と別れた。
否、振られたのか…
別れ話をしている#name#は、しっかりとオレの目を見ていやがった。
事実を言っているんだと、その目を見れば、充分伝わる程だ。
そんなあいつが話し終えても、オレは一言口にするので精一杯だった。
口を開けば、次から次へと、#name#に罵声を浴びせちまうと感じたからだ。
そんなダセェ事はしたくねぇ。
#name#が帰った後、静寂に包まれた部屋で、オレの頭は壊れちまうんじゃないかと思ったくらい、ぐちゃぐちゃだった。
何故だ…何故こうなった?何が悪かった…?
絡んできた女か…
偶然居合わせた#name#か…
隙を見せたオレか…
何だって言うんだ。
全くの誤解だと言うのに。
しかも、他の男に惚れただと?
冗談も休み休み言ってくれ。
お前とオレは、そんな軽い関係だったのか?
ふらっと現れたヤローに、意図も簡単に奪われちまったなんて…
悪い夢なら覚めてくれ。
しかも、相手があのマルコだと?
どう言う事だ。
#name#とあいつの出会いは…確か…怪我の時か。
あれから秘かに、愛を育んでいたなんて言わねえよな…?
オレの目を盗んで?
嫌、#name#はそんな器用な女じゃねぇ。
では本当に、一晩で恋に堕ちたとでも言うのか…
何て事だ。
過去を後悔するなんて、バカらしいと従順承知だ。
だが、この気持ちをどうしてくれよう…
今日も学校は休むか。
今は#name#の顔を見れねぇ
幸か不幸か隣の席ときたもんだ。
あいつもかなり気まずいだろう。
これからどうする?
諦められるのか…
それとも、奪い返すか?
いや、それは無理だろう。
このオレを差し置いて選んだ相手だ。
そう簡単に、#name#の心は揺らがないだろう
はぁ……くそっ…。
何だって言うんだ。
寄りによって何故あいつなんだ。
奴の性格までは知らねぇが、男のオレから見ても、充分惹かれる男だ。
今のオレには…勝てる気がしねぇ…
ハッ…情けねぇな。
どこぞの糞ヤローに盗られるよりましだと、思えば少しは気が楽か…
そこまで考えた処で、キリがねぇと、この寂寞の想いを遮断するように目を閉じた。
#name#…
名を思い浮かべるだけで、こんなにも胸が切なくなる。
なぁ…#name#、オレはどうすればいい?
お前へのこの気持ちは本気だ
この先、ここまで入れ込める相手は現れないかもしれねぇ…
お前が他の奴を想っていようと、二度と手に入らないとしても、オレはこれから先もずっと思い続けていくだろう…。
なぁ…頼むから…
悪い夢なら覚めてくれ