マルコside小説 | ナノ

#38 私の失態



今日も良い天気だ。

彼と充実した日々を送っている私は、清々しい顔で友人に挨拶をした。

「おはよう!」

「おはよう#name#」

あ、そうそう。今日は、午後からまた体育祭の準備だそうよ。

と言う彼女の言葉に、清々しい顔は一変、顔面蒼白になっていく私。

「え…って事は、体操着着るの?」

「?そうよ。」

当たり前じゃないと言う彼女に、冷や汗さえ出てきそうな私。

そう。ジャージを忘れたのだ

アレを着ないと、私は体操着を着てはいけないと、マルコ先輩にすっぱく言われている

「ど、どうしよう…」

「え?何が?」

その後、彼女に事の成り行きを説明し、どうしようと泣きついた。

「もう、下らない」

行くわよ!と腕を取られ、引き摺られていく。

「えっ!まさか、マルコ先輩のとこ行く気?」

「そうよ。素直に言えばいいじゃない」

そんな下らない事。と軽く言うが、あの日の事を彼女は知らない。

自分だけの特権と、至極嬉しそうに体操着姿の私を美味しく頂いた事を…

「いや、待って!いいよ!」

そうだ。制服のまま過ごせばいい話だ。

こんな事で彼の機嫌を損ねたくはない。

「もう遅いわよ。サッチ!」と、

わっ、呼び捨てなんだ…
じゃなくて、

「ナ、ナミ!!」

「おう。どうした?」

「マルコ先輩は?」

ああ、とサッチ先輩は彼を呼ぶ。

未だ腕を捕られている私は逃げる事も出来ず、

こちらに向かって来るにこやかな彼の顔が、そのまま変わりませんようにと祈るばかりだ。

「どうした?」

「あ、#name#がジャージを忘れたんですよ」

なので、今日は着なくてもいいですよね?

なんてサラリと言ってのける彼女。

「あ゙?忘れた?」

「ひっ…」

い、今、"あ"に濁点付いてたよ!帰ろうよ!ナミ!

私はナミに隠れる様に身を隠し、心の中で叫んでいた。

「#name#…分かってるよねい?」

「は、はい!制服で過させて頂きます」

「ちょっと、ビビリ過ぎよ」

いいじゃないですかと、なおも食い付く友人に、

「いいの!いいの!行こう!」

と腕を引っ張るも一向に動く気がないらしい。

「いいじゃねぇか、今日くらい」

「……。」

そうだ、そうだと言う彼女とサッチ先輩に押されて、マルコ先輩が口を開く。

「わかったよい。だが…」

グイッと腕を捕られ、耳元で囁く彼。

「……………。」

「えっ!?そんなっ!」

分かったかい?とニヤケながら、彼は教室へ戻ってしまった…

「?まぁ、良かったじゃない」

だいたい下らな過ぎるのよと、何故か、同情顔のサッチ先輩にお別れをし、自分達の教室を目指す友人。

あぁ…ナミは分かっていないのだ。

マルコ先輩の正体を…



そうして、午後を体操着で過ごした私は、只今、マルコ先輩と家路に向かっている。

「マルコ…先輩」

あ、あの、朝のは冗談ですよね?と、

学校を出てからニヤケ顔の彼に問てみる。

「ん?冗談の訳ないだろ」

楽しみだねいと、本当に、それはもう本当に楽しそうだ。

家に着き、速効寝室へ向かうマルコ先輩。

「さぁ、始めるかい」

何を始めるかというと…



「今日は終始、#name#がリードしろよい」



と、あの時彼はそう囁いたのだ。


「ど、どうすれば…」

「好きにしていいよい」

好きにか…

それから悪戦苦闘の私を見て、終始笑いっぱなしの彼。

もうジャージは学校に置いておこうと、心に誓ったのだった。







「ほれ、もっと美味しそうに舐めろよい」

「わ、私の好きにさせてもらいます…」

「クッ。こうするんだよい」

「……っ!」




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