マルコside小説 | ナノ

#24 彼の変化



「んっ…アッ…」

「#name#…そろそろ……クッ」

「アッ…ぁんっ!」



あの後たっぷりとお風呂プレイを楽しんだ彼は、上がるやいなや、ベットに直行し、今に至る。


「はぁ…可愛いいよい#name#、愛してる」

そんな愛の言葉を囁きながら、果てたばかりだと言うのに、とても元気に動き回る大きな手…

キスの雨が、胸の先端に降りてきたと同時に、膝裏に腕が掛かり持ち上げながら…固い物が宛てられる


「っ!!もう…嫌です!!!」

「ぐぉっ…」

「なっ何回目だと思ってるんですか!!いい加減にして下さい!!!」


そうなのだ。あれから凄まじく早い回復力で、休む事なく抱き続ける彼。


二回目が終わった時に、もう無理と、言ったのにも関わらず、全く聞いてくれない彼。

そして今、五回目へと突入しようとした処を、私に力一杯蹴飛ばされた彼。



「……#name#。オレはまだまだイケるよぃ」

「…っ!もう嫌です!」

だいたい何時だと思ってるんですか!と、彼にぴしゃりと、もう終わりだと言い放ち、布団を被った。

既に時刻は深夜二時を回っている。
朝から学校もあるし、そして何より…体力の限界である。

「うぅ…わかったょぃ」

背中を向けている為、見えはしないが、かなりのダメージを食らった様子と、悲しげな声色で、布団に入り込んでくる。

もう、寝ましょ?と、宥めるように問いかけて、しぶしぶ顔の彼はやっと大人しくなったのだ。





そして翌朝
当然ながら眠い…そして何より腰が痛い…。

朝から憂鬱な気分で、シャワーを浴び、朝食を食べる。
そんな私とは対照的に目の前の彼は、至って元気もりもりで、爽やかな笑顔付きだ。

どうなっているんだろうか…彼の身体は。



「…あ、私が学校行ってる間、何するんですか?」

そうだ。マルコ先輩は学校に行かなくてもいいのだ。一体どうやって時間を潰すのだろう…

「餓鬼じゃねぇんだい。心配すんなよい」

「そ、そうですね」

うん。それもそうだと思いながら、私は忘れる所だったと、

「これ、合鍵です。ないと困りますもんね」と、

彼に鍵を渡した。

「お…ぉう」

何故か、合鍵に激しく感激しているマルコ先輩に、
疑問符を浮かべ、そろそろ行かなくてはと玄関へ向かう。

学校まで送ってもらい、また、帰りは迎えに来ると言う彼に、手を降り見送った。

後、五泊…ずっとあの調子なのかと、ブルリと身震いをし、校門をくぐった処で、

「朝からお熱いな…」と、

背後から呼び掛けられた。

その、声色だけで誰だか分かる人物に、何故だかビクリと肩が揺れる。

「ぉ、おはよう。ロー」

「…おぅ。」

別に見られた事に、何の問題もないのだが、出来れば見なかった事にして、通り過ぎて欲しかった。


「順調そうだな」

「は…あ、うん」

どうしてそんな事を聞いてくるのだろう…

あぁ、そうか。
彼の中で、私はもう、友達枠に戻ったのだろう…

じゃないと、"お熱い"なんて、冗談を言う人ではない

少し、寂しい気もしないではないが、これで良かったのだと、納得する。


そのまま彼と一緒に教室まで行き、一日中気だるい体のまま、何とか授業を受け終えた。

そして、今日はやたら目線がかち合うローに不思議な感情が過ぎりながらも、帰りの挨拶をし席を立とうとした時、

「#name#」

少しいつもより低めの声で呼び止められ、

「オレは……いや、なんでもねぇ」

「ロー?な……じゃぁ…また明日」

「あぁ」

あからさまに不自然に言葉を飲み込んだ彼に、思わずその先を促そうと口が開き掛けたが、止めておく事にした。気になりはしたが、言いたくなったらまた言ってくるものだし、それに、今問いただしてもローは続きを話してはくれないだろう。そう勝手に解釈し、再び別れの挨拶をして教室を後にした。



少しもやりとした心境で校門を潜り、出た途端すぐに飛び込んできたマルコ先輩の車に小走りで駆け寄る。

ドアノブに手を掛けながら軽く深呼吸をした。先程のローとのやりとりは未だスッキリしないものがあったが、動物的勘を発揮するマルコ先輩の前では出来るだけ曇った顔は見せない方がいい。ローの事なら尚更。

「お待たせしました」

「ん、お疲れさん。……ん?」

「な、なんですか?」

「…いや、なんでもないよい」

「……は、はぁ」










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