マルコside小説 | ナノ
#21 彼女の進化
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今日から彼が泊まりに来る。
せめて二日くらいでお願いしますと何度言っても聞いてくれなかったマルコ先輩。
私は学校があるので、終わる頃に迎えに来るらしい…
休めと、執拗に言われたが、断固拒否させてもらった。
そして、放課後…
「さぁ、帰るよい」
悠々と校門に車を横付けし、早く乗れと促される。
「はい…」
何だか嫌な予感ばかりする一週間に知らずと声のトーンが下がる。
「何だい?浮かない顔だねぃ」
そんなに嫌か?と聞いてきたので、
「嫌な訳じゃないですよ!」
そう。嫌な訳じゃない。
大好きな彼と一緒に居られるのは嬉しい。嬉しいのだけれども…
「何だか…悪寒が…」
するんですよ!
「よいしょと。」
「えらく大荷物ですね…」
「まぁねぃ」
何故か、"さっき買ってきました"と言わんばかりの大量の紙袋を持って、車を降りるマルコ先輩。
部屋に着き、着替えてきますと寝室に向かう。
着替え終わってリビングに行くと、先程の紙袋を開けている彼。
「#name#見ろよい」
まず、お揃いのパジャマ、ガウン、部屋着、バスローブ、彼の下着類。
それから、歯ブラシや、スリッパなどの日用品。
引っ越しをして来たのかと言う程の品揃え。
そして…何故か私の下着類。ブラとショーツだけではない。やたら透けているベビードールなんかもある。
「一体…これは…?」
「#name#に似合うと思ってねぃ」
つい、買ってしまったのだと。まるで我が子に新しい服を買ってあげた母親の様なやさしい眼差しを下着達に向けながらそう口にする彼。
「え…マルコ先輩が買ったんですか?」
お店に入って?と、若干ひきつりながら聞くも、
「おぅ。可愛いいだろぃ」と、
平然と言ってのけたのだ。
一体どんな顔して買ったのですか…
私不安です!マルコ先輩!
そして私は今、夕食を作る為にキッチンに立っている。
今日のメニューは、寒くなってきたのでお鍋にする事になった。
「ひゃぁ!!」
いつの間に現れたのか、マルコ先輩が後ろから胸を鷲掴みしてきたのだ。
「ちょっと!マルコ先輩!」
いきなり止めてください!と、声を上げるが、
「いいねぃ。料理をしている#name#は」
ムラムラするよい。と、既に興奮状態の彼。
「料理の邪魔です!」
あっちでテレビでも観ててくださいよ。
と言ってる間にも、シャツのボタンは、上から四つまで外されていた
「わっ!いつの間に!」
「#name#…飯の前によぉぐはっ」
甘えた声を出してくるマルコ先輩の鳩尾に、肘鉄を食らわせ回避した。
「や、やるじゃねぇかい」
回避成功と思われたが、めげずに手が伸びてくる。
「もぉ!怒りますよ」
「胸揉むくらい、いいだろぃ」
暇なんだよい。と言う彼に、半ば諦め料理を再開する事にした。
モミモミモミモミ…
「やっぱり、あっち行ってください!」
めちゃくちゃ邪魔です!とソファーまで引きずって、背中を力一杯押し、キッチンへ帰還した。
後ろから、まだ乳首が!などと、何ともハレンチな言葉でぶぅぶぅと聞こえるが、無視を決め込み作業を再開させた。
ほら、嫌な予感は、的中決定だ。
「じゃぁ、これ着て料理しろよい」
「はい。却下です」
「#name#…強くなったねい」
「はい。日々進化です」