マルコside小説 | ナノ

#16 言葉の意味



マルコ先輩と一夜をともにしてから、更に深く繋がりあえた気がして、益々、彼を好きな気持ちが増した様に思える。

しかし、彼の乳首への執拗な執着心はどうしたものかと頭が痛い。

何でも、オレの理想の乳首だそうだ。舐めていると落ち着くとかなんとか…

赤ん坊かと、突っ込みたくなる。


そして、今日はいよいよ引っ越しの日だ。

必要な電化製品や家具などは買い揃え、既に搬入済みなので実を言うとあまり荷物はない。

結局、ベットも彼に買ってもらってしまった。

と言うより、勝手に買っていた。でもサイズはダブルだったので少し安心したのは内緒だ。



「荷物は、これで最後かい?」

「はい、そうですね」

「おい!これで終わりだよい」

「あいよ」

そう。今日はサッチ先輩も手伝ってくれている。

と言うより、マルコ先輩の召し使いの様だ…

何か弱味でも握られているのだろうか…

新居へと荷物を運び入れ、クローゼットに服などをしまっているとサッチ先輩がやってきた。

「#name#ちゃん、これオレからの引っ越し祝い」

「わっありがとうございます」

「それと、こっちは皆からだ」

皆とは兄弟の皆さんの事だろう、綺麗にラッピングされた少し大きめな箱を開けると、素敵なデザインの食器類、ティーセット等、実用的な贈り物に感激だ。

「ありがとうございます!サッチ先輩に頂いたのも開けていいですか?」

「あっ、ダメダメ!」

その言葉に疑問符を浮かべると、マルコと二人の時に開けてねと少しニヤついた顔で告げられる。

嫌な予感たっぷりだが、再度お礼を言いその場は終わった。


「よし。こんなもんかねい」

片付けも終わった処で、サッチはもう帰れよいと彼を強制帰還させたマルコ先輩。

サッチ先輩を見送りリビングに戻ると、例の高級ソファーに座りながら彼が手招きをしている。

「こっちこいよい」

素直に側に近寄り感謝の言葉を口にした途端グイッと引き寄せられ、おでこ、頬と唇が落ちてくる。軽めに触れるだけのキスをされ、愛の言葉を囁きながらだんだんと深い口付けに変わっていく。

そして、当たり前の様に胸を揉みしだいていた彼の大きな手は、私のTシャツの中へと侵入してきた。

「んっ…い、嫌ですよっ!こんな昼間から!」

「関係ないだろい」

そもそも哺乳類は昼間に交尾するもんだよいと、訳の分からない事を言いながら、素早い動作でホックを外した彼は案の定…乳首へ一直線だ。

パクリと先端をくわえながら、背もたれに寄り掛っている私の顔をニヤニヤと見つめてくる。

そう。彼は行為中、執拗な程目線を合わせてくるのだ。何かの嫌がらせなんだろうか…

「マルコ先輩…あ、後で」

後で、ゆっくりしましょうね。と微笑みながら彼の肩をやんわり押せばしぶしぶ離れる彼。

話題を変えなければと、お腹減りませんか?と尋ねながらも、買い出しに行かないと何もないなと考える。

「食いに行くかい」

その後、食材などを買いに行こうと私の心をエスパーの様に読み取るマルコ先輩。

そんな彼に、胸がキュンとなり首筋にすがり付く様に抱きついた。


頬を擦りつけながら大好きと囁けば、

「あぁ…やっぱ無理だよい」

と、彼のハートに火を付けてしまった私は、"後で"と言う言葉の意味をじっくり彼に教えなくてはと、心の中で決意したのだった。






「あ、これサッチ先輩からの引っ越し祝いだそうです」

「サッチから?」

「何だろ……………!?」

「サッチの奴、イイもんくれんじゃねぇか」


その贈り物は、それは…それはもう、布の面積が至極少ないセクシーなランジェリー達だったのだ…


「着ろよい。今すぐ」







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