マルコside小説 | ナノ
#12 彼の失態
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マルコside
きたよい!
遂にこの日がよい!
そうだ。今日は#name#とお泊まりの日だ。
あの日から随分我慢した。
何度も手を叩かれ、白い目で見られ…
#name#もそんなに警戒しなくても初体験はあのホテルでしようと約束したじゃねぇか…
足くらい…触らせろよい…
浮き足立つ身体で朝食を摂りにダイニングへ向かう。
「お、マルコ。今夜ドーマ達が来るんだが、大丈夫か?」
「こ、今夜かよい!?」
何て間の悪い…
だが、今夜は無理だ。死んでも無理だ。そう、絶対無理だ。
今日は無理だと、若干どもり気味に断る。
イゾウは大人な男だ。詮索なんてしてこねぇ。
そう。イゾウはな…
「ほぉー、何かあんのか?あん?」
察しはつくだろうに、ほんとウザイ男だよい!
「あるから断ってんだろい!」
つくづくバカだねい、お前は。
と付け加え、残りの飯を流し込み席を立った。
サッチなんかに漏らしたら間違いなく邪魔をされそうだ。
まぁ、邪魔なんてしようもんなら…ただじゃおかねぇ
そうして午前中迄の授業をこなし、#name#に16:00に迎えに行くと伝え、家路に着く。
今日は、とびきりの想い出を作らせてやろうと、予定は綿密に立ててある。
迎えに行ってから、送り届けるまでビッチリだ。
抜かりはねぇ。紙にまで書いた程だ。
予定時刻ちょうどに迎えに行くと、玄関の前で待っていた#name#。
待たせたよいと言葉を交わした後、#name#を乗せて車を走らせる。
二度目となるこのホテル。
きっとこれからも、オレ達の想い出の場所となるだろう…そんな想いを抱き彼女の手を取った。
チェックインを済ませ部屋へと足を向ける。
部屋はこの間と同じだ。
あの日は別々に寝たが、今日は一緒だ。
オレの予定では風呂も一緒に入ろうと思っている。
「わぁ、ニ度目ですけど、やっぱり素敵な部屋ですね」
部屋の感想を述べている#name#を後ろから抱き締めた。
一瞬、ビクリと肩を震わせたがゆっくりとオレの腕に触れてきた事に気持ちがどんどん膨れ上がった。
「少し散歩でもしようかい?」
そのまま押し倒したかったが、オレの計画では次は夕陽を眺めての散歩だ。
#name#を連れて、あの日の様に砂浜へ向かう。
だいぶ肌寒くなってきたが海風はとても心地よい。
まるでオレ達の初夜を祝福してくれてるかの様じゃねぇかい。
まず間違い無いだろう…
次はディナーだ。
この日の為に#name#の好物を取り入れたフルコースを用意している。
デザートも彼女の大好物ショコラケーキだ。
抜かりはねぇ。
合間合間にキスを落として、飯を食いに行こうと彼女の肩に手を掛けた。
と、その瞬間何か視線を感じて振り返るが、誰も居ない。
気のせいかと思い直し、ホテルへと足を向ける。
だが、オレはあの時もっと周りに目を見張らせておけばよかったと…
後悔する事になる。
#name#を連れて、個室ではないがこのホテルで一番良い席に腰を下ろす。
何もかも順調な展開に俺は口元が緩みっぱなしだ。
会話もスムーズに進む中、彼女がデザートを口に運ぼうとした時だ。
「ハハハハハ!!!」
「っ!!おい!静かにしろよ!」
何だ!?
このオレ達の甘い時間を邪魔する…
聞いた事のある声は!!!
オレはスッと立ち上がり、声のする方へ足を向けた。
「お前ら……」
何のつもりだい!!
と、その場に似つかわしくない大声をあげ、次々と声の主達を蹴ちらかしていく
「いや…わりぃ」
「ハハッ。見つかっちまったな」
「よぉ!マルコ」
「ププっ いいもん見せてもらったよ」
その後も続々と現れる兄弟達
何だってんだよい…
何故この場所が分かった?
つけられてたのか…?
そんな思考を巡らせていると
「んーと、次は…部屋でシャンパンをあけるのか」
ドーマ…お前もかよい…
と思った刹那、
待て待て待てぇい!!
「な、何で知ってんだよい!?」
そうだ、何故オレの立てた綿密な計画を知っている!
「あぁ、紙に書いてあるからな」
と、いけしゃぁしゃぁとほざいた奴に俺は愕然と肩を落とした。
「捨てるの忘れてたよぃ……」
「マルコ先輩…?」