マルコside小説 | ナノ
#08 お部屋探し
あっという間に週末を迎え、明日は朝からマルコ先輩とお部屋探しだ。
お風呂の件で、少し、マルコ先輩に不安感を抱く…
お風呂メインの部屋を紹介されそうな気がしたからだ。
昨日からローが登校している。
初日は朝一から目があったが、私が逸らすまでローは目を逸らさなかった。
その目からは何も感じとれなかったが、居たたまれない気持ちになり心が痛んだ。
そして次の日、
「おはよう#name#」
今日も可愛いねぃと、挨拶の定番とでも言うように、キスをされる。
別に嫌ではないのだが、まだ恥ずかしい…
そして、今日は忙しいよいと、うちの張り切り番長は車を走らせたのだ。
まず、一件目。
広過ぎだ。高校生が一人暮らしをする部屋ではない。
二件目。
ここも広過ぎ。
そして、大理石の床が何とも厭らしい…
三件目。
ここも広過ぎだが、ルーフバルコニーに少し惹かれた
四件目。
そしてここも広過ぎなのである。真っ黒なバスルームも頂けない。
五件目に移動しようとした処で、待ったをかける。
「マルコ先輩!!どこも広過ぎです!!」
私は広くても、1LDKくらいが良いと言ったはずだ。
しかもどれも億ションさながらの豪華さで家賃の事も考えて欲しい。
「んー、#name#は我が儘だねぃ」
おっと、マルコ先輩。
我が儘なんて言ってませんよ。と、心の声で突っ込みを入れた。
「…マルコ先輩。家賃に合ったお部屋をお願いします」
お部屋も2つ位で丁度いいんですと言うと
なんとマルコ先輩は、
家賃はオレが払うから心配するなと、好きな部屋を選べと、言ってきたのだ…
それはさすがに無理な話だ。彼氏とはいえ、そこまでしてもらうのはおかしい。
絶対に無理だと、それだけは譲れませんと、食い下がった。
あまりの食い付きにしぶしぶ了承したマルコ先輩。
その後、私の要望のお部屋を探してもらい、20畳のリビングと12畳の寝室のある1LDKに決めたのだ。
ここでも広いと感じたが、遠目に見える海が凄く素敵だったので、気に入ってしまった。
家賃も、マルコ先輩価格で値下げしてもらったのは…
仕方がない…。
入居手続きを済ませ遅めのランチを食べる。
「家具なんかは、いつ買いに行くかい?」
「家具ですか?そうですね、入居前に揃えた方がいいですね」
入居が2週間後だから…と、グラタンをつつきながら考えていると、
「やっぱりベットは…
キングサイズくらいがいいかねい?」
などと、また意味ありげな発言をしてきたのだ…
「ち、ちなみに…何故キングサイズなんですか?」
一応聞いてみる。
そんな大きなベッドを置いたら部屋がベッドに占領されてしまう。
「ベッドで過ごす事が多くなるだろい」
デカイに越した事はないよい。な?#name#。
なんとも爽やかな笑顔付きで言い放った。
「………」