鳥形変形ロボットマルエモン | ナノ
鳥形変形ロボットマルエモン 4
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「ただいまー」
「お帰りよいっ」
「あーいい匂い!ご飯なに?」
「マルエモンお手製愛情たっぷりプリッとアルデンテ仕上げのボンゴレビアンコだよい」
「へぇー…長っい料理名お疲れ様。ありがとね」
「よいっ」
玄関の戸を開ければふわりと香る美味しそうな匂いと満面の笑みを浮かべたおっさんに出迎えられる、ここは紛れもなく私の家だ。
以前では想像も付かないこの異様な光景もだいぶ肌に馴染んできた。
初めこそ接っし方も分からずマルエモンの存在自体に疑惑と混乱が行き交っていたが、そんな苦悩は意外とすぐに解消された。
ただのエロ変態おっさんロボットとばかり思っていたマルエモン。
しかし蓋を開ければ家事全般を完璧にこなし、何と言っても料理がずば抜けて上手だったりする。
なんでも世界各国のレシピと調理法がプログラムされており、まさに胃袋を掴まれた私は二日足らずで返品という選択を頭の片隅に追いやってしまった。
「あぁーほんとマルエモンの料理は美味しいね!ご馳走様でした」
「どう致しましてだよい」
「んー、なんかフルーツ食べたいな」
「あるよいフルーツ!ほらよい」
「はぁぁぁ!?その髪の毛バナナだったの!?」
「おう。普段は髪の毛風にカモフラージュしてあるが実はバナナなんだい。安心しろい、フレッシュだよい」
「へ、へぇ…」
「あ、イチゴも食うかい?」
「イチゴ?食べたい!」
「よしきた!ほれイチゴだよい。何個食うかい?」
「ちょ、えぇぇぇ!?それ乳首じゃなくてイチゴだったのぉぉ!?」
「おう。これも普段は乳首にカモフラージュされててよい、因みにこっちはさくらんぼが出てくるよい」
「っっっつ!?なにそれ!?」
得意気な顔で髪の毛をもぎったマルエモンに驚愕の表情を見せれば、更に意気揚々とシャツを肌けさせあろう事か乳首をもぎ取りイチゴだと口走る目の前のビックリロボットに言葉を失ってしまう。
最近の技術には全くもって脱帽だ。
出し方には些か問題があるが食べ物を粗末にするのはよくない。
そう思い直し険しい顔のまま出されたフルーツに手を伸ばそうとした瞬間
「あ、ちょいと待てよい!っと、まだ待ってくれよい…」
「……ねぇ、なにズボン下げてんの?」
「くっ、もうちょいだよい…あっ、は、ふぅ…。よし!やっぱイチゴには練乳が必須だろい?」
「………………く」
「ん?どうしたよい?ほら、食えよい。あ、大丈夫だよい?鮮度は保証するよい」
「く、食えるかぁこんなもーんっ!!!!!」
「ぐぇぇぇ…っっ!!」
食べ物を粗末にしてはいけない。
そんな私の概念は、イチゴに卑猥な液体をかけられた事により意図も簡単に覆された。
「ヒュウマも吃驚ちゃぶ台返しだよい」
「二度としないでよ!!」
「………ょーぃ」