短編or番外編 | ナノ
彼の性癖 U
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不意に腰を掴まれ引き寄せられ、今度は唇をあて舌先で胸を弄りだした。
指先と同じ様に繰り返される舌の動きに、突き抜けるような快感が胸から下半身へと響き渡った。
布越しでの行為に物足りなさを感じてトロリとした視線を向ければ、一度にやりと口角を上げ先端を態とらしく甘噛みされる。
「ぁん…!」
「ククッ。何だい?言わなきゃわかんないよい」
そんな私を意地悪そうに見詰めながら、鼻先で僅かな刺激を与えてくるマルコ先輩にジワリと下半身に熱いものが込み上げてくるのがわかる。
更なる刺激が欲しい私の身体は限界ギリギリで、羞恥心を片隅に追いやり直接してくださいと、甘えるようにお願いをした。
「ん、可愛いよい…」
そう口にし、満足げな顔をした彼は舌先に少し力を入れ唾液で濡れた布をずらしていく。
外気に晒されピンと主張する先端をねっとりと舐めあげられ、その甘い刺激に身体が思わず仰け反ってしまう。
「んぁっ」
「ククッ、気持ちいかい?」
本日一番の高い声が出た。
そんな私に満足そうに喉を鳴らす彼の顔も、本日一番の極悪顔だ。
その後も舌先を器用に動かし弄り倒される。
もう胸だけで十分私の身体は溶ける程の快感に溺れていた。
まるで見計らうようにすっとお尻に手が伸ばされ、ぐにゅりと形を変えるように両手を使い揉みしだかれる。そうして漸く辿り着いた足の付け根を刺激され、甘い痺れが絶え間なく流れ込み全身がトロトロに溶かされていくような感覚に甘ったるい吐息が溢れた。
「ん、ぁ、マルコ先輩…」
「トロトロじゃねぇかい…ん?」
亀裂をなぞるように這っていた指がヌプリと奥まで浸入してきた。肉壁を優しく混ぜながらまるで情欲を掘り起こすように探られる。
「ぁ、いや…んっ」
荒々しくなっていく指の動きに比例して大きくなる喘ぎ声と淫らな水音。
かき混ぜる動きはそのままに、ゴロンと身を倒した彼は目の前に股がれと促してきた。
「……ぇ」
そんな彼の命令に、ひどく戸惑う。そんな処に跨がったら丸見えじゃないか。
動こうとしない私に痺れを切らした彼は、太股を掴み力づくで引き寄せてきた。
観念したように見下ろすと、満足な笑みを漏らしながら腰をしっかり掴み、布越しから舌をねっとりと這わせてくる。
「やっ…んっ…!」
強すぎる刺激に声が抑えられない。そんな声と共にすっと、サイドの紐を引っ張っり布を剥ぎ取る彼。
お尻をやわやわと揉みながら、目の前に晒された秘部に直接舌を這わせてくる。
「ぁン…も…む、りです」
「まだだよい」
そんな私の声など聞こえないとばかりに更に刺激を与えてくるマルコ先輩。
突起を口に含み、縦横無尽に舌を動かされ私は思わずソファーの背もたれに手を付いた。
身体を支えていないと膝立ちすら出来ない程凄まじい快楽に襲われる。
途端、ヌルッと指を入れてきたと思えば、ピンポイントでイイ処を小刻みに刺激される。
指と舌からの激しすぎる刺激にビリビリと甘い刺激が電撃のように頭まで伝わり、痺れるような感覚が身体全体を包み弾けるように震えだした。
「あぁっ、っん…」
「#name#…イッたねぃ」
可愛いいよい。愛してるなど、マルコ先輩が話してる声も何処か遠くに感じる程、今の私は何も考えられずに浅い呼吸を繰り返していた。
自分を支えるのにも力が入らない身体は、彼に覆い被さる様に抱きついたままだ。
「入れるよい」
「ぁ、ま、まって」
まだ呼吸も整っていない私に、彼の熱が内側へと肉壁をこじ開けるようにして沈みこんでいく。
指では届かなかった最奥を抉られ再び頭の中が真っ白に弾けた。
下から深く打ち込まれるたびに子宮に甘い痺れが響き渡り、たまらず彼にしがみつく。
それから体を起こされ、噛みつくような深いキスを施しながら後ろへゆっくりと倒される。
私の足を肘に掛け先程よりも激しく突いてくる彼に、快楽と愛しさが入り交じった感情で腕を伸ばし絡み付く。
「愛してるよい…#name#」
「ん、わたしも…です」
愛の言葉を繋ぐ余裕ない表情の彼を見上げながら、胸の奥がキュッと締まり言いようがない想いが溢れだした。
彼と繋がり甘い快楽を分けあっているという事実が堪らなく幸せな気分にさせる。この先もずっと一緒に――。
そんな想いを込めて、今にも果てそうなマルコ先輩にHappyBirthdayを贈ろう。
「#name#、そろそろ」
「ん、マルコ先輩…誕生日、おめでとうございます」
「あ?あぁ、ありがとよい、ぅ…イッても、いいかい?」
「ダ、メですよ」
「な?なんで!?」
「ふふ、なんとなくです」
変な格好させた仕返しですよ、マルコ先輩。
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