鬼畜な彼の愛し方 <img src="//img.mobilerz.net/img/i/63879.gif" border=0 align=absmiddle /> | ナノ

狂乱×恐怖





部屋に入りソファーに促された私は、いつにも増して緊張していた。
さぁ、どうなるのだろうか?このキスマークを見つけた時、何かしら反応はある筈だ。
凶と出るか吉と出るか…


「ん?どうした?まだ具合が悪いのかい?」

「ぇ…いえ。大丈夫です」

「そうか…#name#こっちこいよい」

「っ…」

いよいよか…心臓がドキドキする。
そんな私を他所に、腰を引き寄せ自分の膝に座らせた後、優しく頭を撫でながら唇を重ねてくる彼。

正直今の私にはキスの余韻に浸っている余裕もなく、ただこの後訪れる彼の反応にびくびくと体までもが震えていた。

「どうした?震えてるよい」

「っ…私…」

「ん?なんだい?」

そんな会話をしながらも、彼の手はゆっくりとボタンを外していく。
首筋にキスを落としながら、彼に贈られたネックレスを愛しそうに手に取った後、徐々に下がっていく唇に…

「いやっ!」

「っ?…どうした?」

「っ…だめ…」

「#name#?」

急に怖くなった。この印を見られる事に。

今は穏やかなその表情が急変するやも知れない事に、なぜか不安と恐怖が押し寄せてくる。

「どうした?今更照れてるのかい?」

「っ…違っ…」

「ん、あぁ…少し間が空いたからねい。優しくするよい」

「…っ」


そうじゃない。そんな私の胸の内など知らない彼は、いつもの様に手馴れなた手付きで服を剥がしていく。

そうして首から肩にかけて撫でる様に滑らせた手がピタリと止まった。
そう。胸に咲くあの印が見つかったのだ。


「これは……なんだい?」

「痛っ…っ…」

「#name#…なんだと聞いてるんだがねい?」

「っ…痛…いです…マルコ先輩」

痛みに訴える私を無視して、まるで印を引き千切らんとばかりに鋭い視線とともに摘ままれる。

「おい…」

「っ…これは…キスマーっきゃ!」

質問の答えを最後まで聞かずに、力任せにベットへと組み敷かれた。

「キスマークだと?あ?」

「っっ…」

「他の男に…抱かれたのかい?」

「ぅっ…マ、マルコ…先輩には…関係ない…」

「あ゙?どの口がんな事言ってんだい?」

「痛っ!ぃゃっ…」

「おいっ!!誰に抱かれた?」

「っ…」

力強く手首を掴まれ、ぎちぎちと悲鳴を上げている腕は、折れてしまうのではないかと思うくらい痛みを訴えていた。

私の悲痛の表情を捉えても、眉一つ動かさず、冷徹な眼差しを向けながらその怒りを両腕に込める彼に、私は意を決して口を開く。

「私がっ…誰と寝ようと…マルコ先輩に咎められる筋合いはありませんっ!!」

「てめぇ…お前は俺のもんだって言っただろい!」

「私はっ…ものじゃ…ないっ!!」

「くっ…」

力一杯彼を押し退け、逃げるようにベットから降りた。
しかし降りた側は扉とは真逆で、私の逃げ場は自然と壁の隅へと導かれる。

肌蹴た胸元を隠す様に手で押さえながら、予想以上の狂乱振りに身体が小刻みに震え出す。

まるで獲物を射殺すような目付きで私を見据えながら、ゆっくりと近づいて来るマルコ先輩に、私は恐怖のあまり近くにあった本や雑誌などを投げ付けた。


「いやっ!こ、来ないでっ!」

「……」

「もういい加減にしてくださいっ!わ、私はあなたのおもちゃじゃないっ!」

「……」

「っ…ぃ…いやぁー!!きゃっ!」

最後に投げ付けたガラス製のルームランプをガシリと掴んだ彼は、そのまま真横の壁に叩き付けた。

その凄まじい破壊音と彼から発せられる威圧感に、私は縮み上がる。

これは罵声処じゃ済みそうもない。そう感じた瞬間、鈍い痛みと共に乾いた音が部屋中に響いた。

「っ…!?なっ…」

「さっきから黙って聞いてりゃ…誰にもの言ってんだい?」

「ぃ…ぃやっ…」

鈍い痛みの正体。彼は私の頬をパシリと叩いたのだ。
誰かに、ましてや男の人に手を上げられた事へのショックと恐怖で、私は完全に腰が抜けてしまいへなへなとその場に座り込んでしまった。


彼の手が私の腕へと伸びて来た瞬間、騒々しい足音と共に扉がバタンと大きな音を立て開く。

「何事だ?マルコ!?」

「……」

彼はチラリともそちらを見ずに、未だ私を睨み付けている。

そんな角に追いやられ、肌蹴たなりに頬を押さえる私を捉えた訪問者は、驚きの言葉と共に駆け寄ってきた。

「何やってんだよ!?おい、マルコ!って…お前女に手上げたのか!?」

「…サッチは引っ込んでろよい」

「ち、ちょい落ち着けよマルコ!」

「どけよい…」

「ダメダメ!取り敢えず下がれ、な?」

「サッチ…」

「だってお前…あーほら、めちゃくちゃ震えてんじゃねぇか」

「#name#こっち来いっ!」

「ぃやっ!」


鬼気迫る私は、突如助けに現れたサッチ先輩に身を隠す様にすがり付いた。


そんな様子が更に彼を逆撫でしていたが、今の私にはとてもじゃないがこの場を、そして彼を沈める手立てなどなく、サッチ先輩の服をただ震えながら掴んでいたのだった。

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