鬼畜な彼の愛し方
| ナノ
特別×嫌悪
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あの鬼畜変態強姦魔を素直に受け入れてしまってから、少し調子に乗り出した彼は、その日からいつにも増して私の体を我が物顔で扱った。
そんな日々に、いつの間にか当たり前の様に洗脳されかけた今日この頃、いつもの様に彼の部屋にて抱かれている最中、ノックもなしに扉が勢いよく開いた。
「っ!?」
「マールコ!…あらあら…最中でしたか…って、はっ?」
「なんだよいサッチ。大した用じゃなきゃ、出てけよい」
「いやいやいやいや…お前…あれ?この子は…」
「ちょ、マルコ先輩!」
「ん?」
ん?じゃない。
普通最中に第三者が現れたら中断するなり隠すなりするでしょう?
なのにこの変態ときたら、ニヤニヤしながらさらに打ち付けを速めている。
「ぃやっ…ぁっん…ゃ、めて」
「なんだい?サッチには前にも見られてるだろい?」
「ぃやっ!んっ…サッ…チ先輩も…見ないでっ」
「ククッ…見られた方が興奮すんのかい?」
「違っ!ぁっ…ぁん…」
「なぁ…、珍しいな。マルコが同じ女抱くのも…ましてや自分の部屋でよぉ…」
「あぁ…こいつは…と、特別だいっ。#name#イクよい…」
「ひゃっ…ぃや…」
どうかしているこの人。切実にそう思った。
人に見られたら興奮するのはマルコ先輩の方でしょ!?などと言いたい所をグッと堪え、肌を隠すようにシーツを巻き付けた。
「ふーん。特別ねぇ…」
「はぁ…あぁ。で?なんだい?」
「ん?あぁいや、もういいよ。しかし…そんなにいいなら俺にもお裾分けしてくれよ?」
「ダメだよい。」
「即答だな。なんだよ?いいだろ?」
「ダメだ。他の男が入ったら形が変わっちまう」
「っ!?」
「あー成る程ね。そんなにお気に入りって訳か」
「あぁ。こいつはやっと見つけた俺の…」
「きゃっ!」
「最高名器だい!」
「っ!?名器って?え!?」
「ん?なんだよい?」
「っ……ぃ、いえ…」
最高名器?なにそれ…
別に恋愛感情を求めていた訳じゃないけど…酷い言われようだ。
分かっていた事だが所謂…最高の性欲処理という訳か。こ、この鬼畜変態強姦魔め!
「最高名器ねぇ…よかったな、やっと巡り会えたって訳か」
「まぁな。用がねぇなら行けよい」
「はいはい。じゃぁな!"マルコ"の#name#ちゃん」
「っ!?」
"マルコ"のと言う強調された呼び方に物凄く違和感を感じた。
マルコの?なにそれ?この兄弟…だよね?絶対頭おかしい。
「どうした?怖い顔して…あーまだ足りなかったかい?」
「…ぃえ。もぅ十分です」
「ん、そうかい」
そんな酷い言い方をした後でも、こんな風に優しい手付きで頭を撫でてくる彼は…卑怯だと思う。
始まりがアレだ。どうせなら鬼畜を貫き通して欲しい。じゃないと…この飴と鞭のギャップが憎たらしく感じる。
「#name#?あぁ…今度からちゃんと鍵掛けるからよい、機嫌直せよい」
「……今日は帰りますね」
「あ?あぁ。送るよい」
「いいです!」
「っ?そうか」
もうやだこの人。その時本気で心の底から彼に嫌悪感を覚えた。
私はいつまでこうやって彼のオモチャにされるのだろうか?
この行為を諦めかけている自分と、快楽に流されていた自分に吐き気さえ覚えてしまう。
忘れていた思いが一気に蘇った私は、半ば強引に服を纏い逃げる様に部屋を飛び出した。
とぼとぼと歩きながらある事が頭を過る。あの写真…確かサッチ先輩の携帯で撮ってたよね?
でも取り返した所で、バックアップされていたら元もこもない。
でもなにか解決法はある筈だ。
この出口の見えない悪夢からなんとか抜け出さなくてはと、自己憐憫に心が締め付けられながらも私は頭をフル稼働させ家路へと向かったのだった。