鬼畜な彼の愛し方
| ナノ
独占欲×印
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始まりはいつもの悪ふざけからだった。サッチと共に昼寝でもしようと訪れた薄暗い教室で、俺は#name#に出逢った。
サッチの奴が彼女の手をとった時、咄嗟に引き寄せた。理由はわからねぇ。ただ、彼女をサッチに抱かせるくらいなら俺が抱いてやると思ったのだ。
初めはすごく身体の相性がいいだけと思っていた。こんな相手は滅多に出逢えるもんじゃねぇ、と。
しかし、それは直ぐに強い独占欲と化して俺の心を支配する。
誰にも渡さねぇ。強く思った。
そんな彼女が他の男に抱かれたと言う言葉を聞いた瞬間、プツリと何かが切れた。
怒り…?嫉妬…?
俺は初めて経験するこの感情に名前を付けれずに、ただ目の前の彼女が怯え震えているのを睨み付ける事しかできない。
#name#を叩いた掌が焼けるように熱い。手を出すつもりなんかなかった。衝動に理性を持っていかれちまった事に、彼女に手を上げちまった事に、後悔の波が押し寄せる。
正直…サッチが来てくれてほっとしている。でなければ俺は取り返しのつかない事を彼女にしでかしていたかもしれない。
しかし、どうにも気持ちが鎮まらない。
他の奴に…俺以外の奴に抱かれたと言う事実を認められない。
俺を拒絶する彼女も認められない。
#name#は俺のもんだ。誰にも渡さねぇ。いや、渡したくねぇ。
「おいマルコ、落ち着けよ、な?どうしたんだ一体…」
「こいつ…他の男に抱かれたんだと」
「あ?なんだ嫉妬かよ?いいじゃねぇかそのくらい」
「よかねぇよい!!こいつは…俺のもんだい」
「はぁ…ったく。だそうだぜ?#name#ちゃん?」
「わ、私は…マルコ先輩のものじゃありませんっ!」
「…てめぇ何度言えば」
「まぁまぁまぁ。兎に角だ。暴力はいけねぇな、マルコ」
「…あぁ、わかってるよい」
「#name#ちゃん、…諦めな」
「っ!?そ、そんなっ!!」
「んじゃ、次…#name#ちゃんの悲鳴が聞えたら…親父に言うからな?暴力はだめだぞ?マルコ」
「わかったから…行けよい」
「へいへい」
「いやっ!行かないでっきゃっ!!」
サッチを行かせまいと手を伸ばした#name#を引き寄せ胸に閉じ込めた。
他の男に縋るんじゃねぇよい。そんな兄弟にまで強い独占欲を晒している俺はどうかしちまってる。だが、そのくらい彼女を手放したくない。誰にも触れさせない様に閉じ込めておきたい程…俺の心は狂っていた。
「っ…放して」
「叩いたりして…悪かったよい」
「……」
「なぁ…どうしたら…手に入る?」
「…ぇ」
「お前の…心も身体も…全て。どうしたら手に入る?」
「っ!?そ、そんなの…わかりません」
「#name#…こっち向けよい」
「…っ!んっ…」
噛み付くように口付けた。まるで想いをぶつける様に。
俺だけを見ろ。他の男なんか見るんじゃねぇ。
そう告げる様に深く舌を絡ませ俺を注ぎ込む。そうして肌蹴た胸元から覗く忌々しい印の上から俺のものだと言うように証を刻み付ける。
「ぃっ…いやっ」
強く噛み付くように印を付けながら彼女の胸を包み込めば、拒む様に身体を捩り拒絶の言葉が繋がれた。
そんな彼女をお構いなしにベットへと運び組み敷く。
「拒むなよい…」
「っ…」
無性に悲しくなった。彼女の怯えた目。俺を拒絶するその態度。
でも止まらねぇ。息を呑み俺の愛撫を小刻みに震えながら耐える彼女に胸が締め付けられる。
それでも俺は止める事無く抱き続けた。拒絶の言葉の合間に漏れる甘い喘ぎを耳に捕らえながら、俺の下で快楽に溺れていく#name#を見つめる。
お前は俺のもんだ。
そう身体に刻み付けるように、その日、彼女が気を失うまで俺は抱き続けたのだった。