君の光と僕の影 | ナノ

#17 揺影



エースが#name#に触れた時、自分でも驚くほどにがなりたててしまった。
エースが仲間であったとしても、許す事が出来なかった自分に驚く。
それは、同時に俺にとってそれほどまでに#name#に心が向いているという証拠でもあって、上手く誤魔化す余裕を俺の中から奪う。


マルコには一切そんな感情など持たないというのに、自分が自分で可笑しい。
気まずさから席を外し自分を冷静に引き戻す。


仕事に#name#を連れてきたのも多分、家に残ったあいつを気にして仕事にならないと判断したからで、結局、俺の為だ。


「クソっ…。」


エースにイラついてしまう自分を認めたくはないが、相当なところまで俺はあいつを欲しているってことなんだろう。
結婚騒動の時にマルコが俺に言った言葉を含めて今まで我慢していた他人とのつながりを求める自分が、あいつにだけ、向けられてる。


「…しょうがねえじゃねえかよい。」


自分に言い訳をするように、鏡の中に独白して眉をしかめた。
#name#が俺たちを受け入れたあの日から密かに決意していた、あいつを大切にするという気持ちの更に奥底にもう一人の俺が、居る。

「2日間しかねえんだい。…どうすんだ、よい。」


鏡の中へ問いかけても、不機嫌そうに俺を睨むばかりで答えなんか出なかった。
過去そうしたように、#name#を困らせる事だけはしたくねえ。随分と変わった自分に念を押すように目を閉じた。


一度抱いてから、俺は変わったのかもしれない。できるなら、#name#に俺を見て欲しいと渇望してんだい。
俺を、アイシテイルと…そう、あの口から聞きたい。多分毎晩のようにマルコが聞いているソレを、俺にも欲しい。


俺抱きしめて、笑いながら。
#name#これは俺の…ワガママかよい?


「まだ、そんなところに2人でいんのかよい。――――」


エースと立ち尽くすお前を、
愛おしいと思ってしまうんだい。

ふと、見つめあった時、緩んだ口元に
お前は気づいただろうか?


もう…嘘なんかつけねぇんだよい、#name#。

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