冷え性なマルコ byノア



『マルコさん…暑いです』

『ん?我慢しろよい』

『……やっぱり暑いです』

『…ったく、じゃぁ一枚脱げよい』

『嫌ですよ!下着になっちゃうじゃないですかっ!』

『だって暑いんだろい?』

『エアコン付けていいですか?』

『ダメだ』

『ちょっとだけ』

『ダメだよい……エコだい』

『エコ!?暖房は部屋中付けるマルコさんが?』

『暖房は…別もんだよい』

『もぅ…いいですよ。私出掛けてきます』

『何処行くんだよい!?』

『涼しいと・こ・ろにです』

『…っ、あぁそうかい。気付けてな』


暑さに負けた彼女は、そうオレを一睨みし出て行った。

だがオレは後は追わねぇ。
何故って?だって彼女は涼しい所に行くんだろい?
そんな所行ってみろいっ。凍傷になっちまうよいっ!

そう。オレは正真正銘の冷え性だ。
誰が悪い訳でもねぇ。オレが悪い。あぁ悪いのはみんなこのオレだい。

オレの冷え性は半端ねぇ。
皆がダラダラと汗を流す中、一人涼しい顔をしているのは、そうオレだけだ。
皆が暑い暑いとアイスを食べている傍らでホットドリンクを飲んでいるのは、そうオレだけだ。
皆が丁度良い温度だと快適に過ごす中、一人ブルブルと震えるのは、そうオレだけだ。

そんなオレがエアコンの効いた部屋で過ごしてみろい。完璧に凍っちまうよい。

彼女とは共に暮らしだして二年と少し。初めこそオレとの温度差に必死に耐えていた彼女だが、今ではアレだい。
まぁ、オレと付き合っていく上で身に付けた知恵だろう。感心するよい。

そんなオレと彼女は夏場は一緒に寝ねぇ。何故って?

『ピィッ!』

『ピィッ!』

『ピィッ!』

『チッ…ピィッ!』

『あっ!ピィッ!』

『#name#…諦めろい!ピィッ!』

『無理です。暑くて寝れません。ピィッ!』

『てめぇ…オレを殺す気かい?ピィッ!』

『もうッ!その前に私が暑くて死んじゃ…いまっすって!!ピィッ!』

『チッ!ダメだよい!!ピィッ!ポィッ!』

『あっ!?投げましたね!?鬼!鬼畜!冷え冷えバナナ!!』

『あ?冷えバナナ!? …仕方ねぇだろい。オレの生死に関わる問題だ』

『はぁ…いいですよ。私あっちで寝てきます』

『…おう。悪ぃな。その前に冷えバナナ詫び入れてけよい』

『…っ!すみませんでした!じゃ!!!』

『ったく…』

だがオレは後は追わねぇ。
何故って?だって彼女は涼しい所へ行くんだろい?
そんな所で寝てみろい!オレは起きたらきっとあの世だよい。


そんなこんなでオレは日々冷え性と戦っている。

そう。オレは正真正銘の冷え性だ。
誰が悪い訳でもねぇ。オレが悪い。あぁ悪いのはみんなこのオレだい!






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