青い三角定義 T



相互サイト☆クリムゾン・チーク☆のサティコ様より頂いた、マルコ海賊夢で御座います。

この作品は私がリクエストさせて頂きまして、『攻めヒロインでストーカー風味』というお願いで書いてもらいました(´ω`)
ご本人様は、ストーカー風味ではないと嘆いておられましたが、私は大満足の作品だと思っております(´з`)
でゎ!皆様もご一緒にマルコを攻めちゃいましょう(´艸`)
サティコ様有難うございましたm(__)m





「あっ、お帰りなさいマルコさん」
「………」

見慣れた自分の部屋に鎮座している見慣れない人物に、マルコは遠慮なく顔をしかめる。

「…どこから入ったんだよい」
「もちろんドアからです」
「その前段階を聞いてるんだよい」
「無法侵入じゃないですよ!ちゃんとサッチさんの許可を取りました!」


…どこから説明しようか。
そう、まずこいつの名は#name#。
この悪夢が始まったのは数日前。
物資補給兼ねて立ち寄ったこの島で、ログが溜まるまで実に二週間ときたもんだ。
しばらくゆっくりすることになるのかとぶらぶら町を歩いていたら、道の真ん中で盛大に荷物をぶちまけている女がいた。
それがこいつだ。

気まぐれというのか、まぁあまりに見ていられなかったので、散らばった野菜やら果物やらを拾ってやった。
それだけだ!それだけなんだよい!

「思えばあそこで助けなきゃあ…」
「あら、それでもいずれは出会う運命だったんですよ?」
「言い切るな!それと人の考えを読むんじゃねぇよい!」

…とにかく、それの何が悪かったのか、突然告白される始末…。

『私の理想に足が生えたのが貴方です!好きです!付き合って結婚してください!』
『…は?』
『はいですか!イエスですか!ありがとうございます!』
『いやいやいや言ってねぇよい!』

人の話を聞かねぇ、すごい勢いのアタックをガン無視して、俺は船に戻ってきた。
それで解決と思いきや、いつの間に丸め込んだのか、エースやサッチの手助けを得て、こうして毎日押し掛けているわけだ。

…俺の意見はどいつもこいつも聞きゃあしねぇ。

「はぁ…お前は俺のことをなにもわかってねぇんだよい」
「まぁ、そうですね」

#name#は腕を組み、至極当然と言わんばかりに大きく頷く。

「…だから!それなのに好きだのなんだの言っても始まらねぇだろうがよい!」
「逆ですよ、マルコさん」

ふ、と#name#は鼻で笑うと、目を閉じて少し胸を張る。

「確かに、私はマルコさんのことをなにも知らない。どこが好きと訊かれても答えられない」
「…そらみろよい」

#name#の言葉に、マルコは不機嫌な、しかしどこか拗ねたような顔をして吐き捨てる。

「でもね、だからこそ最強なんですよ」

あ?と疑問符を浮かべるマルコに向かって、#name#は人差し指を立てた。

「だってね、どこって言えないってことは、全部好きってことなんですもん」

えへへ、と恥ずかしげに、しかしどこか嬉しそうに笑う#name#。

「っ、そんな理屈があるかい!」

その姿に思わず幾ばくかの愛しさを感じてしまい、マルコは掻き消すように声をあげる。

「ありますよ!とにかく好きなんですもの。これってなかなか否定できないですよね」

確かにその通りだとマルコは苦い顔をする。
優しいと言えば冷たくすればいい。
顔と言えばもっといいやつがいると言えばいい。
#name#の言う通り、自分の直感だけを強く信じているやつというのは、なんにしても厄介なものなのだ。

「…一目惚れなんつーのは、しばらくすりゃ醒めるもんなんだよい」
「一目本気惚れですよ!」

真剣に返してくる#name#に、言っても無駄かとマルコは溜め息を吐いた。

「とにかく今日は帰れ。仕事があるんだよい」

これは事実である。

「わかりました!ではまた明日!」
「明日も来んのかよい…」

この前向きな気持ちはどこからくるのかと、マルコは半ば尊敬にも似た眼差しで#name#を見る。

「…見つめられると照れちゃいますぅ」
「呆れて見てたんだよい」

しっしっ、と追い払えば、じゃあまた!と笑顔で去っていく#name#。

「根性だけは、買ってもいいんだがねい」

さてどうしたもんか、と頭を掻きながら、マルコは閉まった扉を見つめるだけだった。






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