大きく前進



春様より頂いたマルコ海賊夢です(´ω`)夢小説にご興味がお有りの春様に、書いてみなよと煽った結果!出来上がりました春様処女作となっております春様ありがとうデス





夕日が沈む頃、モビーディック号の上では宴が開かれていた。
クルーたちの中心でエースやサッチが騒いでいて、白ひげは楽しそうな息子たちを見ながらグラグラと上機嫌に笑う。

いつもなら混じって騒ぐ#name#だが、今日はとてもそんな気になれず、甲板の隅で一人海を眺めていた。



「一人で何してんだよい?」



独特な口調。
振り返るとやはりそこに居たのは彼だった。



「マルコ隊長…」



気にかけてくれたのだろう、持っていた2つのグラスの片方を渡される。
中身は甘い、#name#が好む弱い酒。
礼を言うとマルコは柔らかく笑い、くしゃりと頭を撫でた。



「で、何で落ち込んでんだよい」
「…昼間は、すみませんでした…」



昼間?とマルコはわかっていなかったが、戦闘の時…と言えば納得したようで、再び頭を撫でた。



「大丈夫だよい」



昼、無鉄砲な名もない海賊が戦闘を仕掛けてきた。
一番隊である#name#は当然参戦、得意の銃で敵を倒していた。

しかし数が多く、後ろから剣を下ろしてくる男に気付かず「#name#!」という声に振り返れば自分を庇い斬りつけられるマルコが目に入った。



「気にすんなって言ったろい」



マルコはそう言うが、気にしないわけにはいかない。

自分は末っ子だからと可愛がられる。
が、甘やかされていいとはならない。

誇り高き白ひげ海賊団に入る時、白ひげや隊長たちの前で宣言したのだ。

マルコ隊長が背中を預けられるくらい強くなると。

あの時のマルコの驚いた顔と白ひげの楽しそうな顔は忘れられない。
ずっとずっと憧れていたマルコに追いつこうと必死だった。

憧れにいつしか慕情も加わってきたのだけれど。



「俺は怪我してもすぐ治るからねい、」
「でも、それは隊長が傷付いていい理由にはなりません」



すぐに傷が治ると言っても、痛くないはずがない。
#name#が言うと彼は驚いた顔をしたが、すぐ優しく笑った。



「俺が背中を預けられるくらい強くなる…だったかねい」
「…!」
「信頼なら十分してる…それに、そんだけ悔しいと思えるならお前はもっと強くなれるよい」



覚えてたのかという驚きと、温かい言葉にほわほわと胸が満ちていく。



「まぁ、それに、なんだ…」
「?」



モゴモゴと急にどもりだしたマルコを不思議に思い、見上げて首を傾げる。



「好きな女を守りたくなんのは、男の性、だよい」



好きな女…好きな…女…

意味を理解した途端、一気に顔が熱を持つ。



「た、たいちょ…っ?!」



慌てる#name#に余裕を取り戻したのか、マルコはニヤリと笑うと耳元に口を寄せた。



「お前が好きだよい…#name#」



囁かれた告白に恥ずかしいやら何やらで離れると、マルコは楽しそうにしながら背を向け
「落ち着いたら返事用意して戻ってこいよい」
とヒラヒラ手を降って盛り上がる輪の中に戻っていった。



「ず、ずるい…!」



マルコの吐息を感じた耳を抑えたまま、#name#は宴に戻れないことを覚悟した。





(おーい#name#、どうしたよ?)
(サッチ隊長…私を殴ってください)
(え、何ソレ?!え?!)
(落ち着かせるためです。さぁ早く!)
(いやいやいや!)






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