マルコ社会人編 | ナノ
#最終話 未来への想い
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「#name#!だ…大丈夫かい?」
「マ、マルコさん」
「あああ…#name#…」
「うっ、っ…」
「っ!?痛ぇのかい!?おい!医者!どうにかしろよい!」
「お父さん少し落ち着いてください」
「お、お父さん…」
駆け付けてくれたマルコさんの顔を見た瞬間涙が溢れそうになったが、やはり感傷に浸る余裕などはなく、ただただ襲ってくる痛みと戦っていた。
お父さんと呼ばれた事が余程嬉しかったのか、黙り込んだ彼にチラリと目線を向ければ、今にも溢れ落ちそうな涙に唇を噛み締め堪えている姿が飛び込んでくる。
そんな彼に私まで涙腺が緩む。
痛みは分け合う事はできないが同じ気持ちを抱いてくれているのだと感じ、それを励みに残りの体力を全て出し切るように力を込めた。
「#name#…頑張れよい」
「はい…がん、ばりま、す」
意識が飛びそうな痛みの中頑張れと傍らで手を握ってくれているマルコさんに勇気付けられ、一際お腹に力を込めた途端、ズルリと何かが引きずり出される感覚と共に一気に力が抜け落ちる。
「頑張りましたね、元気な男の子ですよ」
「……マルコさん」
「#name#…ありがとよい」
産まれたのだと気付くのに、声を掛けられなければ気付かない程頭が真っ白になっていた。
看護婦さんが産まれたばかりの我が子を見えるように掲げていたが、それを目の端で僅かに捉えたまま私はマルコさんを見つめていた。
彼もまた、赤ん坊には目もくれず私を見つめてくれていて、その優しい眼差しから伺える色は、赤ん坊に逢うのは一緒にと言われてる様で言いようがない想いが込み上げる。
そうしてきれいに身体を拭かれた我が子が看護婦さんの腕に抱かれ近付いてきた。
その様子を彼の手を握り目で追えば、嘘のようになくなった痛みから今度はドキドキと期待に胸が弾んでくる。
「はい、お待たせしました」
「「ぁ…」」
私の胸にふわりと置かれたその小さな身体を抱き抱えた途端重なる声。
赤ん坊らしい産声を上げながら眼下に映るその風貌に、私とマルコさんは暫し硬直する。
「こりゃまた…」
「フフ、可愛いですね」
「あぁ…可愛い過ぎだよい」
「お待たせ!産まれたか!?」
「エース…ほら、無事産まれたよ」
「おぉ…!こりゃ…まんまだな」
「おいエース、そりゃどういう意味だい」
「え…だってよ、あ、持ってきたぜビデオカメラ」
「よこせよい。ほら、#name#初ショットだい」
見るからに父親の遺伝子を多く取り入れている我が子に思わず口元が緩む。
その直後現れたエースも唖然とする程、父親そっくりな赤ん坊に目を丸くしていた。
どちらの子でも構わないという気持ちは今も変わらない。
それでもこの結果にとても感謝する気持ちもあった。
目の前でぎこちなく赤ん坊を抱き、崩れそうな程顔をだらしなく緩めたマルコさんを見てそう思う。
「ほれ、新しい家族だよい」
「はい。これからもよろしくお願いしますね、パパ」
「パ…パ…」
「フフ、しっかりしてくださいよ、マルコパパさん」
「っ…おぅ…」
嬉しさを身体全体で表しながら赤ん坊を私の腕に返してきたマルコさんに、新たに加わった家族と共に言葉を送れば見事に放心してしまった。
そんな彼に私も負けじと顔が緩む。
あんなに悩み苦しんだ過去が嘘のように幸せで塗り潰されていく中、いろんな人に支え助けられ、今この時を迎えられた事に最大の感謝をする。
そして私は、これからの未来が眩しく降り注いでくるのを感じながら小さな我が子を愛しく抱き締めたのだ。
「にしてもよぉ…マルコも産まれた時からこの髪型だったのか?」
「あ?あぁ…そうだよい」
「へぇ……不憫だな」
「あ?何つった今!?」
「え、いや、寒そうだなぁーと思ってよ、後頭部」
「エース…表に出ろよい」
「マルコさん!エースも変な事言わないの!可哀想じゃない」
「だってよぉ…」
「#name#、可哀想って何がだい?」
「……」
終わりです(θжθ)
ここまでお読み頂きありがとうございましたm(__)m
ええ。子供はマルコそっくりなパイナポーヘアーです(θжθ)
間違いなくマルコの子供だった、みたいな。はい。
こんな終わり方でスンマソンm(__)m