リクエスト キリ番 | ナノ
20000hit感謝小説
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長編などに出てくるマルコとは、また赤の他人で御座います(´ω`)
20000hit感謝感激ありがとうございます(´ж`)
『彼女に再会した事は、偶然ではなく必然であり、そして運命なのだと、オレは確信していた。』
大学を卒業し社会人になって四年目。オレは出張先で逢いたくて仕様がなかった人物に再会した。
それは一週間の滞在予定で訪れた、気候の穏やかな西の地。
思いの外スムーズに事が進み、滞在初日から早々と終える事ができオレは、見知らぬ土地に興味をそそられ街をぶらつきふと目に入った店で喉を潤そうと扉を潜った時だった。
「ぁ…」
「おっ…」
ちょうど入れ違いに店を出ようとした彼女に会うのは、あの涙の別れから実に四年目の事だ。
「…」
「…#name#」
思わぬ再会に胸が高鳴るオレと反し、彼女の表情はどんどん曇っていく。
「あー、久し振りだねい」
「っ…うん」
「急ぎかい?」
「…ううん」
「じゃ、少し付き合えよい」
そうして戸惑い顔な彼女の腕を引っ張り、店内へ連れ込んだ。
四年振りに触れた彼女の腕は、昔と変わらず細く、そして温かかった。
再び店内に戻された彼女は少し小言を言いながら、それでも仕方がないとでも言うように、溜め息混じりに微笑んでくれる。
「ほんとに…久し振りだね。元気してた?」
「あぁ、#name#こそ元気そうで良かったよい」
そんなお決まりの挨拶を交わしながら、久し振りの彼女を観察した。
昔と変わらず綺麗なままだが、学生だった頃の幼さはなく、芯の強そうな大人の女になっていた。
いい男でも捕まえたかと、彼女の薬指に視線を落とすも、そこには誓いの指輪はなくその事実にまだ結婚はしていないのかと少しほっとした処で彼女が口を開く。
「で?こんな所で何してるの?仕事?」
「あ、あぁ。出張だよい。#name#は?」
「ふふ、私も出張」
これは神様がくれた巡り合わせに違いないと、オレは体が僅かに震えるほど胸が躍っていた。
「いつまで居るんだい?」
「んー、クライアント次第かな」
「そうかい。で…今何処に住んでるんだい?」
「ん?変わってなきゃ、マルコと同じ街だよ」
「っ…。それにしては、会った事ないねい」
「ふふ、ほんとだね。こんなとこでは会っちゃうのにね」
それから、昔話や共通の友人の話などをした俺達は、どうせお互い一人なのだからと夕食も共にする事になった。
彼女とは大学2年の時に出会い、何故か波長がすごく合った俺達が恋仲になるまでにそう時間はかからなかった。
彼女は不思議とオレの心中を手に取るように察っする事ができ、言葉で説明しなくても心と心で繋がっている気がして、とても付き合いやすい相手だった。
しかしその特技が邪魔をして、浮気はすぐばれる上に嘘も通用しないと、デメリットも多々あった。
そんな彼女だが、なんだかんだとオレに寄り添い付いて来てくれていたのだが、社会人になり、今までと勝手が違うようになった付き合いはそう長くは続かなかったのだ。
彼女より仕事が大事に感じてきたオレの心を容易に察した#name#は、邪魔にはなりたくないと、自ら別れを切り出してきた。
当時のオレは、泣きながら別れの言葉を口にする彼女に、仕方がない事だと、引き止めもましては改める事もせず、ただ頷き、静かにその背中を見送ったのだ。
その後、付き合った女がいたが、常に#name#と比べてしまうオレがいてどいつも上手くいかなかった。
そしてオレは気付いたのだ。彼女でないとダメだと。
幼い考えだったオレは、無くしたものの大切さに気付いて直ぐに彼女に連絡を取ったが、アドレスは変わっており、共通の友人も知らないときた。
探ればどこかで繋がる筈だったが、オレとの関係を自ら絶った彼女の事を思い、偶然会える事を祈るしか出来なかったのだ。
「そろそろ出るかい?」
「あ、うん。そうだね」
自分も出すと、財布を握り締めながら食い付く彼女を外に押しやり、会計を済ませ表に出ると案の定不機嫌な顔で出迎えられる。
「もう、奢ってもらう筋合いないんだけどな」
「はっ、#name#は男に恥をかかせる様な女だったかねい?」
「…嫌な言い方。どうせ奢ってもらえるならもっと高いお店にすればよかった」
「それこそ嫌な言い方だねい」
「ふふ、どうもご馳走様でした。じゃ、あ、ホテルどこ?」
「生憎土地勘がなくてねい」
「もう、ホテル名は?近くだったら、相乗りしていこ?」
「その必要はないよい。行くぞい」
「わっ!ちょっと、何処行くの?」
「オレの泊まってるホテル」
「…本気?」
「本気」
さすが彼女と言うべきか、オレの心中を察し、無言のまま素直に着いて来た。
部屋に着き、お互いシャワーを浴びた処で自然とベットに沈む。
久し振りの彼女の温もりを感じながら、離れていた想いが募っていく。
#name#と一つに繋がった処で、優しくキスを落とし、再会した時から聞きたくて仕方なかった想いを口にした。
「なぁ、今男はいるのかい?」
「んっ…な、内緒」
「はっ、なんだいそれは」
「ぁっ、 マル…コこそ、いるの?」
「…内緒だよい」
内緒と口にする彼女に、追い討ちを掛けるように片足を肩に掛け打ち付けを早めた。
もし、彼女に男がいようとも、今、オレだけを感じている彼女に愛しさが募り、そして独占欲がどんどんを湧き出てくるのを感じていた。
行為が終わり、枕を背にもたれながら彼女の髪を梳く。
「ふふふ、変わってないね」
「…何がだよい?」
「終わった後に髪を撫でるのも、イク時になったら、私の足を肩に掛けるのも」
「…。それなら#name#だって、変わってねぇよい」
「えー?何が?」
「絶頂が近づいたら、オレの右腕を掴む癖」
「…たまたまよ」
「へぇ、じゃぁ、オレもたまたまだい」
「なにそれ…ふふ」
オレはこのチャンスを逃したくはなく、彼女に男がいようが奪うつもりだったが、やはり、彼女の口から確かめたいと再び問い掛けた。
「#name#…。で、ほんとはどうなんだい?」
「何が?」
「いるのかい?」
「……いないって言ったら?」
「まどろっこしい奴だねい…どっちだ!?」
「マルコは?マルコから言ってよ」
「…いないよい」
「っ、そっか…」
「おい…いいかげんにしろよい」
「き、聞いてどうするの?もう…今更だよ」
「はぁ…オレの心はお見通しじゃなかったのかい?」
「それは…昔の話でしょ」
「ったく。じゃぁ教えてやるよい」
それから別れてから後悔したこと、#name#ではないとダメだと思ったこと、そして、再びオレの手を取ってくれるならもう二度と離しはしないと、まるで一世一代の告白でもする様に、誠心誠意を込めて彼女に伝えた。
「っ…! マルコ…」
「返事は?どっちだよい」
中々返事をくれない彼女に不安が過ぎった。もう手遅れなのかと。
しかし、彼女の口から出た次の言葉に、オレの不安は意図も簡単に消え去ったのだ。
「ずっと、ずっと待ってたんだから」
そう洩らした彼女は、あの日からずっと、オレが迎えに来てくれると信じ待っていたと。
あの日と同じように涙を流しながらオレに縋り付いてきたのだ。
「#name#…遅くなって悪かったよい」
そんな思いもよらぬ言葉を漏らし、泣きじゃくる彼女を強く抱き締めながら、この離れていた四年間を埋めるように熱い口付けを送り、オレは再び彼女に誓いを立てた。
「もう、二度と離さねぇよい」
「ぅ、うん」
それから再びお互いを求め合い、この出張が終わったら共に暮らす事を約束し眠りに就いたのだった。
「しかしよぉ、待ってたならなんでアドレス変えたんだよい?」
「う…勢いで」
「勢いって…」
「あの時は、ほんと勢い余って…マルコのアドレスも消しちゃったし…誰かに聞くのもなんか…ね」
「はっ、だが、オレはまた逢えると思ってたよい」
「私も…そう思ってた」
「うそつけ」
「う、うそじゃないよ!」
そんなやり取りをしながらも、この運命ともいえる結末にオレの心は幸せに溢れていた。
これからは、彼女の心も、常に幸せで溢れさせてやろうと、新たな誓いを一人立て、彼女の薬指に近いのキスを送った。
この遠回りは俺達の愛を深め合うためにあったものだと確信しながら、オレは、これから彼女と歩いてゆく未來が輝いて見えたのだった。
わぁぁ…こんな感じで締めてみました。なんか申し訳ない。
なにはともあれ、20000hit!皆様のお陰で御座いますm(__)m
本当にありがとうございますm(__)m
2011/08/02 ノア
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