先生ver vol | ナノ
#39 私の念願
リビング…よし。
お風呂…よし。
寝室…よーし。
私……よーーし。
あ、枕カバーとシーツも替えておこう。
後は…
私は今、抜かりなく彼を迎える為部屋の隅々まで掃除をし最終チェックを終えた所だ。
そして最後に、
マルコ先生のパジャマ…よしと。
遂にこの日を迎えてしまうのかと、一人勝手に妄想し少しだけ緊張してしまう。
まさか彼と恋人同士になれるなんて夢にも思わなかったが、これが現実だ。
しっかり受け止めよう。
しかも早速一線を越えようとしている。
と言っても、彼が来ればの話だが…
しかしそんな心配は全くの無用で、片付けももてなす料理も出来上がった処で愛しの彼の登場だ。
「お帰りなさい!お風呂にしますか?ご飯にしますか?それとも…わ」
「なんだい?そのベタな出迎えは…」
そう私の言葉を遮りながら、溜息を吐き慣れた足取りでリビングに向かう彼。
「一度やってみたかったんです」
お約束でしょ?などと言いながら彼のジャケットを受け取る。
「はぁ…ったくよい」
さっきのはなんだい?人の返答も聞かずに帰りやがってと、心底呆れ顔の彼は少しだけご立腹なご様子だ。
「だって…」
ああでもしないと来てくれないと思ってと、素直に白状すれば、
「今は違うだろい…」
それから彼は、そんな強行手段などとらなくとも普通に呼べば来てやると、もうあの様な真似はするなと、呆れ顔のまま言葉を放っていたが、その目はとても優しい光を宿していた。
ので、微妙に頬を緩ませながら謝った。
「はい。すみませんでした」
「本当に分かってるのかい?」
そう言いながら伸びてきた彼の手は、私の両頬をグニュリと摘まむ。
「いひゃぃれすよ!!」
「もうするなよい?」
「ふぁぃ。りゃからふぁなひてくりゃふぁい」
「ククッ。何言ってんのか分かんねぇ…よい!」
「ったぁー!!なっ、何で振り切るんですか!?」
「笑いながら謝るからお仕置きだい」
「だからって、痛すぎです!鬼バナ」
「あ゙?」
「ひっ!そんな怖い顔しないで下さいよ、恋人に向かって…」
「…してねぇよい。それより…」
「わっ…」
「オレを呼び付けて…何するつもりだい?」
「やだっ!そんなの決まってるじゃないですか」
そう甘えた声を出しながら彼の首に絡み付く。
「#name#…」
ピューー
「あっ!お鍋!!」
「……」
彼に惚けてうっかり忘れていた。
「マルコ先生!!ご飯作ったんです」
食べましょう?と、何故かジト目で此方を見ている彼に促す
「…あぁ。喰うよい」
「はい!!愛情たっぷり入れておきました」
それから私の手料理を意外と旨いなどと一言多い感想をくれながら食事を進めるマルコ先生。
そう言えば…
「マルコ先生と、ビスタ先生ってご兄弟だったんですね」
「あ?知らなかったのかい?」
「はい…」
「あぁ、まぁ改めて言う事でもないしねい」
「吃驚しましたよ。本当に」
「ククッ。悪かったよい」
そんな話をしながら、彼にお風呂を勧める。
「風呂?あぁ…」
「着替えならありますよ!下着も…」
「…何で下着まであるだよい」
「買ったからに決まってるじゃないですか。どうぞ」
「…」
「あ、歯ブラシもありますよ」
「やけに用意周到だねい」
「はい!!」
またもや呆れ顔の彼をお風呂場へ押しやって、食事の片付けをし、彼がお風呂から上がってくるのを今か今かと待ちわびる。
「あぁ、風呂ありがとよい」
「いいえ、お酒でも飲みますか?」
「・・・ったく」
未成年が酒なんて買うなと、小言を言いながらも素直に受け取り風呂入って来いと促される。
「覗かないでくださいよ?」
「それは覗けって事かい?」
「私はそんなに天邪鬼じゃありません」
「ククッ、早く入って来い」
「はいっ」
寝ないでくださいよと付け足しお風呂場へと足を向けた。
よし。今日は隅々まで洗ってやろう。
いつもの三倍は掛けて身体を洗い、歯を磨きと、私は受け入れ態勢抜群だ。
そうして、またもやバスタオル一枚で登場する。
「#name#…お前はまた…」
「えへっ。だってどうせ脱ぐんでしょ?」
「はぁ…」
そんな、溜め息を吐きながらどうしたものかと困り顔の彼に寄り添う。
「マルコ先生…優しくしてくださいね」
「…あぁ」
その言葉とともに唇が重なり、抱きかかえられベットへと連れて来られた。
「ん…マルコ先生…大好きです」
「あぁ…オレも好きだよい」
甘い言葉を耳元で囁かれ、彼の唇は耳元から首筋、肩、胸へと移動していく。
彼に触れられているだけでぞくぞくと身体が栗立った。
そんな一杯一杯な状況の中、彼の舌が胸の先端を舐めあげる。
「ぁッ…ン…マルコせん、せい」
「ん…?気持ちいのかい?」
「きも…?……はい」
「クク、かわいいねい」
余裕たっぷりな彼は執拗に胸の先端ばかり舐めあげ、胸をやわやわと揉んでいた手は、徐々に下へとさがっていく。
「ぁッ…ぃや」
初めて他人に触れられたそこは、彼の手によって淫らな水音を響かせ始めた。
「ん?どうした?」
態とらしくそう聞いてくる彼の顔は、魅惑的な雰囲気の下に悪戯な目を隠していて、私の羞恥心をじわじわと煽ってくる。
「んっ!?」
彼の指がある場所に触れた瞬間、身体がビクリと跳ねた。
「感じるかい?#name#…」
吐息が掛かる程近くにある彼の瞳は、まるで私の反応を楽しむかの様に見つめてくる。
「ぁっ…は…い」
「#name#は素直だねい」
そうしてプツリと、彼の指が私の中に入ってきた。
「んっ…」
「#name#…」
そう耳元で囁いたかと思えば、再び下へと移動していくマルコ先生。
一度足首まで下りた唇は、また上へとあがってくる。
その間も彼の手は休む事なく動き回り、一本だった指は既に二本にまで増えていた。
そんな彼から与えられる快楽に翻弄されながらも、ふと彼に目をやれば…
「あっ!ちょっと!何まじまじ見てるんですか!?」
私の秘部を凝視しているマルコ先生。
「あ?いいだろい。今更照れるなよい」
「やっ…照れますよ」
「ククッ。どれ…」
そう言って、あろう事か顔を埋め舌を這わしてくる彼に、
「えっ!?ぁっ…やっ、ダメ…マル」
「ん、いちいち可愛いねい」
ニヤニヤしながら私の秘部を舐め回す彼を捉えながら、恥ずかしさ半面、物凄い快感に身体が震える。
そして、敏感な部分を強めに吸い上げられ彼の口内で激しく動く舌に、身体が大きくビクついた。
「ぁっ!!ん…はぁ…何で…すかこれ…」
「あ?あぁ…イッたんだろい」
「い、く…?」
「ククッ、気持ち良すぎたって事だよい」
クツクツと笑みを浮かべながら私の上に覆い被さってくる彼。
「#name#…いいかい?」
「はい…」
私の言葉を捉え、彼が自身を宛がってくる。
あぁ、やっと彼と一つになれるのかと、思えば初めから叶わぬ恋だと思っていたのにと、
私は嬉しさと、彼への愛しさが止めどなく溢れてきて胸が張り裂けそうなくらい幸せな気持ちだった。
が、
「痛った!!!!!」
「あ?」
「痛い痛い!!たんまです!!」
「は?何言ってんだい」
それは私が想像していたものとはかけ離れ、脳天をぶち抜く激痛だった。
「だって…痛すぎです…」
「…我慢しろい。初めだけだい」
「いやっ!待って…いっ!」
私の静止の声を完全無視し、グイグイとねじ込む様に腰を沈める彼。
「はっ!!む、無理で、すって」
「もう少しだ、力抜けよい…」
「ん、っっー!」
ブチ…
「きゃぁ!?いっ…マ、マルコ先生…今ブチって…」
「はぁ…入ったよい」
「だから今の…んっ」
「ああ、もう黙ってろい」
「んっ…」
そうして、本当に痛いのは初めだけで、彼の献身な愛撫によって解された私は、彼が果てるまでこの記念すべき体験を堪能するのだった。